堆積の積み重なりが時間を記録する仕組みを説明しよう
このレッスンは「地層は過去の記録」6レッスン中の3番目です。観察した層を、時間の流れに置き換えます。地層ができる過程と、記録が欠けたり変形したりする過程を同じモデルで考えます。
前から受け取る力:露頭を安全に観察し、方位・縮尺・境界・粒・化石を事実として記録する
今回完成させる力:堆積→重なり→固結→変形・侵食という順で、地層が時間を記録する仕組みを説明する
次へ渡す力:粒・層厚・化石の表から過去の変化を読む
まず知る
地層の記録は、次の流れでつくられます。
- 岩石のかけらや火山灰、生物の遺がいなどが運ばれる。
- 水底や陸上に堆積物が積もる。
- 後から来た堆積物が上へ重なる。
- 圧し固められたり、粒の間が物質で結びついたりして堆積岩になる。
- その後、隆起・傾き・断層・侵食などで形が変わることがある。
- 新しい堆積が再開すれば、さらに記録が重なる。
大きな乱れがない地層では、下に先に積もった層、上に後から積もった層があります。ただし、現在の上下だけを見て無条件に年代を決めるのではなく、逆転や断層などがないか確認します。
理解する
層が上へ重なることは、時間の順を空間の上下へ変換しています。下の層が先に積もり、その表面を覆うように次の層が積もります。露頭では時間そのものは見えませんが、境界と重なりから出来事の前後を読めます。
しかし、層の厚さをそのまま時間の長さと考えることはできません。堆積の速さは環境によって変わります。洪水や噴火では短時間に厚く積もることがあり、静かな時期には薄い層が長い時間を表すこともあります。
また、地層は完全な日記ではありません。何も積もらなかった期間や、積もった後に削られた期間は、層として残りません。侵食面の上に新しい層が重なる場合、その境界は「記録の空白」がある可能性を示します。詳しい不整合は後のセクションで扱います。
現在は層が傾いていても、最初は水底でほぼ水平に積もり、後から力を受けて傾いた可能性があります。一方、斜面や流れの中で初めから斜めに積もる構造もあります。どちらかを決めるには、広い範囲の層のつながりや堆積構造が必要です。
使う
露頭に下からA・B・C・Dの四層があり、A〜Cは互いに平行、Cの上面はでこぼこに削られ、その上にDがほぼ水平に重なっているとします。
考えられる順序は次の通りです。
- Aが堆積
- Bが堆積
- Cが堆積
- A〜Cが固まり、隆起または地表に現れる
- Cの上部が侵食される
- Dが新たに堆積
この説明で重要なのは、でこぼこの境界を一瞬の線としてではなく、堆積しなかった時間や削られた時間を含む可能性のある面として読むことです。
「Dが一番厚いから、Dの時代が一番長い」とは言えません。堆積速度の資料が必要です。
確認1:直接確認
大きな乱れがない地層で、下の層が上の層より先にできたと考えられるのはなぜですか。下の層が積もった後、その上を覆って次の層が積もるからです。確認2:誤りを修正
「厚さ2 mの層は厚さ1 mの層の2倍の時間を表す」を直してください。堆積速度が同じとは限らないため、厚さだけで時間の比は決められません。確認3:別資料へ転用
地層の途中に削られたようなでこぼこの境界があります。何を疑いますか。堆積の中断や侵食による記録の空白を疑い、境界の上下の層や広がりを追加観察します。転用する
未知の地層断面では、層名の横に「できた」「変形した」「削られた」の三種類の動詞を書きます。次に、出来事を矢印で並べます。
堆積→重なり→固結→変形・隆起→侵食→再堆積
すべての段階が必ずあるわけではありません。資料に証拠がある動詞だけを使い、推測には「可能性」と付けます。
次は、粒の大きさ、層の厚さ、化石の有無を表や簡単な柱状資料から読み、環境がどう変化した可能性があるかを根拠つきで説明します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。