流れの強さと粒の大きさから運搬・堆積を説明しよう
このレッスンは「風化・侵食・運搬・堆積」6レッスン中の3番目です。前の模型実験で見えた粒の動きを、流れの強さと粒の大きさの関係として説明します。ここが分かると、川から海へ粒の大きさが変わる理由を予測できます。
前から受け取る力:一条件だけを変え、侵食量・移動距離・堆積位置を公平に比べる
今回完成させる力:流れが運べる粒と、流れが弱まったときに堆積する粒の順を説明する
次へ渡す力:水量・傾き・粒径・移動距離の表やグラフを読む
まず知る
流水が粒を運ぶ方法には、川底を転がす、跳ねさせる、水中に浮かせるなどがあります。どの動きになるかは、流れの強さと、粒の大きさ・密度・形に関係します。
同じ種類・形・密度の粒を比べると、基本は次の通りです。
- 強い流れ:大きな粒まで動かせる
- 弱い流れ:大きな粒を運び続けられず、先に堆積させやすい
- とても細かな粒:水中に浮いたまま遠くまで運ばれやすい
- 流れがさらに弱まる:細かな砂や泥も沈み、堆積する
| 粒 | 強い流れでの動き | 流れが弱まると |
|---|---|---|
| れき | 川底を転がる・跳ねる | 比較的早く堆積 |
| 砂 | 転がる・跳ねる・一部浮く | れきより先まで運ばれる |
| 泥 | 水中に浮きやすい | 静かな水中でゆっくり堆積 |
理解する
粒が堆積するのは、重力が突然強くなるからではありません。流水は粒を動かし続ける力を与えています。流速が下がる、川幅が広がる、水深や地形が変わるなどで流れが弱まると、粒を支えたり押したりする力が小さくなります。その結果、運びきれない粒が川底へ残ります。
大きな粒ほど重いので、同じ材質・形なら、運び続けるためにより強い流れが必要です。そのため流れが弱くなる場所では、大きな粒が比較的手前に、細かな粒が遠くに堆積しやすくなります。
ただし、粒の大きさだけですべては決まりません。
- 平たい粒と丸い粒では動き方が違う
- 同じ大きさでも密度が違えば沈みやすさが違う
- とても細かな粘土粒子は互いにくっつくことがある
- 洪水時と平常時では流れの強さが大きく違う
中学校の基本モデルでは、同じ材質・似た形のれき・砂・泥を比べる条件で考えます。
使う
川が山地から平野へ出る場所で、流れが急に弱くなったとします。上流から、れき・砂・泥が運ばれてきました。
- 流れが弱まる。
- 大きなれきは運びきれず、比較的近い場所に堆積する。
- 砂はれきより先まで運ばれ、河口付近などに堆積する。
- 泥は水中に浮きやすく、より静かな沖や湖の中央まで運ばれる。
- 流れが十分弱い場所で泥も堆積する。
予測を書くときは、「れきは重いから」だけで終わらず、「流れが弱まり、大きな粒を運び続ける力が不足するため」と途中の関係を書きます。
洪水になると、ふだん動かないれきが運ばれることがあります。洪水後に流れが弱まれば、そのれきは普段より下流側へ堆積する可能性があります。したがって一度の粒の分布だけから、平常時の流れを断定しません。
確認1:直接確認
同じ材質のれき・砂・泥を強い流れが運び、流れが弱まると、一般にどの粒が先に堆積しやすいですか。大きなれきです。確認2:誤りを修正
「泥は軽いので永久に沈まない」を直してください。泥も、十分に静かな水中で時間がたてば堆積します。確認3:別資料へ転用
洪水で川の流れが強くなったとき、普段より大きな粒はどうなりやすいですか。普段より大きな粒まで侵食・運搬され、より下流へ移動する可能性があります。転用する
初見の粒径分布図では、次の順で考えます。
- どちら向きに水が流れたか。
- どこで流れが強く、どこで弱まったか。
- 大きな粒がどこで止まったか。
- 細かな粒がどこまで運ばれたか。
- 洪水・粒の密度・形など別条件がないか。
このモデルは「次にどこへ堆積するか」を予測する道具です。次は水量・傾き・粒径・移動距離の数値を読み、条件を変えたときの結果を表とグラフから説明します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。