入試の選択肢を証拠単位で診断し直そう
まず知る
このレッスンは入試総合6レッスンの5番目です。選択肢を「なんとなく正しそう」で選ばず、年代・環境・順序・範囲へ分解し、最初に資料と矛盾する語句を見つけます。
選択肢は一文の中に、正しい部分と誤った部分を混ぜることがあります。一部が正しくても、全体が問いと資料に合わなければ誤答です。
| 診断する項目 | 確認する証拠 |
|---|---|
| 年代 | 示準化石、放射年代、地層の新旧 |
| 環境 | 示相化石、粒径、堆積構造 |
| 順序 | 覆う・切る・ずらす・不整合 |
| 範囲 | 一地点か地域か、資料の調査範囲 |
| 確実さ | 断定できるか、候補にとどまるか |
理解する
次の選択肢を考えます。
「地層Cからアンモナイトとサンゴが見つかったので、Cは中生代の暖かく深い海で堆積した。」
アンモナイトは中生代の示準化石として年代を支持します。サンゴは暖かく浅い海の示相化石です。「中生代」「暖かい」は合いますが、「深い海」がサンゴの証拠と矛盾します。最初に誤った語句は「深い」です。
使う
選択肢診断は次の手順です。
- 文を「年代」「環境」「順序」「範囲」の短句に分ける。
- 各短句の根拠となる資料箇所へ線を引く。
- 根拠がない語句へ「未証明」と付ける。
- 資料と反対の語句へ「矛盾」と付ける。
- 最初の矛盾を正しい表現へ直す。
例:「断層Eは最上部まで伸びるため最も新しく、この地域全体で同時に起きた。」
Eが最上部のFに覆われ、Fがずれていないなら、EはFより古いので「最も新しい」が矛盾します。また、一断面だけでは地域全体で同時に起きたと断定できません。順序と範囲の二か所が誤りです。
消去法を使うときも、消す理由を一言書きます。「化石の役割違い」「切る側が後」「一地点から一般化」などです。これにより、偶然の正解を再現可能な判断へ変えられます。
転用する
記述答案の見直しにも同じ方法が使えます。自分の文を短句へ分け、各主張に証拠があるか確認します。「必ず」「すべて」「地球全体」「正確に何年前」など強い言葉は、資料がそこまで示すかを疑います。
未知の選択肢で専門語があっても、前半と後半に分けます。わかる部分が資料と矛盾すれば、その時点で除外できます。知らない語だけを見て止まらないことが大切です。
次の最終レッスンでは、資料選択から記述・限界までを一つの初見総合問題として解きます。
確認1:一部が正しい選択肢をどう判定する?
文を短句へ分け、すべてが問いと資料に合うか確認します。一か所でも矛盾すれば全体は誤りです。確認2:「断層線が上まであるから最も新しい」の誤りは?
紙面上の高さで判断しています。何を切り、何に覆われているかという切断・被覆関係で決めます。確認3:「この露頭から日本全体が浅海だった」とある選択肢をどう直す?
一地点の資料なので「この地点は浅海だった可能性が高い」と範囲と確実さを限定します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。