地層累重と切断関係が新旧を示す理由を説明しよう
まず知る
このレッスンは「大地の出来事を順番に並べる」6レッスンの3番目です。前のレッスンでは、覆う・切る・削る関係を矢印へ変えました。ここでは、その判断がなぜ成り立つのかを説明できるようにします。法則名だけを暗記するのではなく、出来事が起こる瞬間を頭の中で再生するのが目標です。
中心となる考えは二つです。
| 考え | 内容 | 使う前に確かめる条件 |
|---|---|---|
| 地層累重の法則 | 堆積した地層が逆転していなければ、下の地層ほど古い | 地層の上下が保たれているか |
| 切断関係 | ある岩体や構造を切る出来事は、切られたものより新しい | 本当に切っているか、ただ接しているだけではないか |
「下は古い」「切る方は新しい」は結論です。理由まで言えると、傾いた地層や貫入岩、断層が混ざった図にも応用できます。
理解する
まず、堆積の過程を考えます。水底に泥Aが積もり、その後に砂Bが積もったとします。Bが積もる時点で、Aはすでに下に存在しています。だからAの堆積が先、Bの堆積が後です。さらに火山灰CがBを覆えば、Cが最後です。
次に、切断の過程を考えます。固まったA・B・CへマグマDが割れ目を通って入り込むには、A・B・Cが先に存在していなければなりません。したがってDの貫入は三つの堆積より後です。さらに断層EがDをずらしていれば、Eの断層運動はDができた後です。
二つの原理には条件があります。地層が強い地殻変動で逆さまになっている場合、現在の「下」が必ず古いとは限りません。級化層理、れん痕、化石の向きなどで地層の上下を確認します。また、線が近くにあるだけでは切断とは言えません。線が層を横切り、ずらす、または貫入した境界が見えることが必要です。
使う
理由を含む答案は、次の型で作れます。
「出来事Xが起こるためには、対象Yがすでに存在する必要がある。資料ではXがYを覆う/切る/削る/ずらす。したがって、Yが先でXが後である。」
例1:岩脈Dは地層Bを切っている。Dが貫入するときBはすでに存在したので、Bの堆積が先、Dの貫入が後である。
例2:侵食面Xは地層A・Bの上部を削り、地層Cに覆われる。よってA・Bの堆積後に侵食Xが起こり、その後Cが堆積した。
例3:断層Eが岩脈Dをずらす。Eの断層運動にはDが先に固まっている必要があるため、Dの貫入が先、Eの断層運動が後である。
「断層線が一番上まで伸びているから新しい」という説明は弱い答案です。図の位置ではなく、「何を切り、何をずらしているか」を根拠にします。
転用する
見慣れない断面では、法則を機械的に当てはめる前に条件を確認します。
- 地層の上下は保たれているか。
- 礫は元の岩石から削られ、後の地層へ再堆積した物ではないか。
- 境界は貫入か断層か、ただの地層境界か。
- 侵食面の前後に堆積の中断があるか。
たとえば、礫岩の中に花こう岩の礫があり、その礫岩を花こう岩の岩脈が切ることがあります。同じ「花こう岩」に見えても、礫の材料になった古い花こう岩と、後から貫入した新しい花こう岩は別の出来事です。名称だけでなく、資料中の役割を見ます。
次のレッスンでは、ここで得た一対一の関係を制約表と矢印グラフへ集め、矛盾のない全体順序を作ります。
確認1:地層Aの上にBがあるとき、Aが古い理由は?
地層が逆転していないなら、Bが堆積する時点でAがすでに下に存在していたからです。確認2:「どんな地層でも下ほど古い」が誤りになるのはどんな場合?
しゅう曲などで地層が逆転している場合です。上下を示す堆積構造などを確認してから累重の法則を使います。確認3:未知の図で断層Fが岩脈Dをずらし、上の地層Gには達していない。何が言える?
Dの貫入後にFの断層運動が起きたと言えます。Gが断層を覆い切断されていないなら、Fの後にGが堆積したと考えられます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。