上にあるから新しい、断層は最も古いという誤答を直そう
まず知る
このレッスンは「大地の出来事を順番に並べる」6レッスンの5番目です。これまでの法則を使っても、見た目や言葉だけに引っぱられると誤答が生まれます。ここでは、間違いを恥ずかしいものではなく「どの判断条件を見落としたかを発見する手がかり」として使います。
よくある誤答は次の五つです。
| 誤答 | 見落としている条件 |
|---|---|
| 上にある物は必ず新しい | 地層が逆転していないか |
| 断層は地層ができる前からある | 断層運動は、切られる岩体ができた後に起こる |
| 礫の年代=礫岩ができた年代 | 礫は古い岩石から削られ、後で再堆積する |
| 同じ岩石名なら同じ時代 | 同種の岩石は異なる時代にもできる |
| 二つとも古いなら前後も決まる | 二つを結ぶ直接・間接の証拠が必要 |
修正の基本は、結論を眺めるのではなく「出来事カード」と「古い→新しいの矢印」へ戻ることです。
理解する
地層が逆転している例を考えます。もともとA、B、Cの順に堆積した後、強い力で地層全体が横倒しになり、さらに回転すると、現在はCが下、Aが上に見えることがあります。このとき現在の高さだけでは新旧を判断できません。級化層理の粒が上方へ細かくなる向きや、れん痕などから堆積した当時の上方向を調べます。
礫にも注意します。花こう岩の礫を含む礫岩があるなら、材料となった花こう岩は、削られて礫になる前に存在しました。したがって花こう岩の礫は礫岩より古いのです。一方、その礫岩を別の花こう岩の岩脈が切る場合、岩脈の貫入は礫岩より新しい。同じ花こう岩でも役割が異なります。
断層についても、「割れ目だから最初からあった」と考えてはいけません。断層が複数の地層や岩脈を切ってずらすには、それらが先にできている必要があります。ただし、断層を覆う新しい地層がずれていなければ、断層運動はその地層より古いとわかります。
使う
誤答を直すときは、次の四段階を使います。
- 誤答が使った基準を言う。「現在の高さだけを見た」。
- 見落とした証拠を示す。「級化層理が逆向き」「断層が岩脈をずらす」。
- 正しい出来事関係へ変える。「岩脈の貫入 → 断層運動」。
- 修正した結論を書く。「断層運動は岩脈より新しい」。
例:「地層Gは一番上にあるので最も新しい」という解答に対し、Gが岩脈Dの中に取り込まれた岩片なら、GはDより古いと直します。岩片が取り込まれるには、Gが先に固まっていなければならないからです。
別の例として、断層EがA・BをずらすがCには達しておらず、Cが断層面を覆うなら、A・Bの堆積 → Eの断層運動 → Cの堆積です。断層は最も古くも最も新しくもなく、途中の出来事です。
転用する
未知の問題で迷ったら、「現在の位置」「岩石名」「見た目の大きさ」をいったん脇へ置きます。そして次の三問に戻ります。
- その出来事が起きる前に、何が存在する必要があるか。
- 何が何を覆う、切る、削る、ずらすのか。
- 二つを結ぶ証拠が本当にあるか。
この方法なら、問題の図が回転していても、色や模様が変わっていても対応できます。次の最終レッスンでは、堆積、傾斜、侵食、貫入、断層、不整合が混ざった未知の断面を、未決定部分も含めて復元します。
確認1:礫岩中の花こう岩礫と礫岩は、どちらが古い?
花こう岩礫の方が古いです。元の花こう岩が固まり、侵食されて礫になった後に、ほかの粒と堆積して礫岩になります。確認2:「断層は割れ目だから地層より先にあった」はなぜ誤り?
断層運動が地層を切ってずらしているなら、その地層が先に存在する必要があります。断層運動は切られた地層より後です。確認3:逆転した未知の地層で新旧を調べるには?
現在の上下だけで決めず、級化層理やれん痕などで堆積時の上方向を確認し、貫入・断層・侵食の切断関係も合わせます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。