短い生存期間と広い分布が年代を示す理由を説明しよう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、生存期間の帯と産出地点を資料から読みました。ここでは、「短い期間」と「広い分布」が、なぜ地層の年代判定に必要なのかを因果で説明します。
二条件は別々の仕事をします。
- 短い生存期間:その化石を含む地層ができた時間の幅をしぼる。
- 広い分布:遠く離れた地域でも同じ生物を見つけ、共通の時間基準として使う。
したがって、よい説明は「短期間だから年代を細かくしぼれ、広く分布したから離れた地層を対比できる」と二つを分けて述べます。
理解する
二条件の組合せを四つに分ける
長期間存在した生物は、化石が見つかっても「その長い期間のどこか」としか言えません。短期間だけ存在した生物なら、「その短い期間の地層」としぼれます。
一方、一つの湖だけに暮らした生物は、湖の地層には使えても、別の大陸の地層には見つかりません。広い海域や陸域に分布した生物なら、離れた地点AとBで同じ化石を基準に地層を対比できます。
同じ化石が同じ時間帯を結ぶ
生物Xが1億500万年前から1億300万年前だけ存在したとします。地点Aと1000 km離れた地点Bの地層からX化石が見つかれば、両地層は少なくともその時間帯にできた可能性が高いと考えられます。岩石の種類がAで砂岩、Bで泥岩でも、同じ時期に場所による環境差があったと説明できます。
示準化石は「同じ岩石を探す道具」ではなく、「同じ時間帯を結ぶ道具」です。
使う
候補を理由付きで選ぶ
| 生物 | 生存期間 | 分布 |
|---|---|---|
| A | 2000万年 | 世界中 |
| B | 200万年 | 世界中 |
| C | 100万年 | 一つの島 |
示準化石に最も向くのはBです。Cのほうが生存期間は短いですが、分布が狭いため広域対比に使えません。Aは広く分布しますが期間が長く、年代の精度が低くなります。
理由は「Bは生存期間が短いので年代をしぼれ、世界中に分布するので離れた地層を対比できる」と書きます。
環境の証拠と混ぜない
広く分布したことは、どの環境にも暮らせたという意味とは限りません。また、示準化石だけで海の深さや水温を決めることはできません。年代は示準化石、環境は示相化石・岩相・堆積構造という役割へ戻ります。
転用する
同じ年代でも岩相が違う資料を読む
地点Pのアンモナイトを含む地層が砂岩、地点Qの同じ種類のアンモナイトを含む地層が泥岩だったとします。同じ化石が示準化石として有効なら、二つは同じ時間帯にできた可能性があります。しかし、砂岩と泥岩の違いから、Pは岸に近く、Qはより沖側だった可能性があります。
このように、年代の一致と環境の一致は別です。時間を示準化石でそろえてから、岩相や示相化石で空間的な環境差を読みます。
次のレッスンでは、複数の化石が示す生存期間を重ね、共通する時間範囲から地層の年代をさらに細くしぼります。
確認1:直接確認
短い生存期間は何に役立ちますか。化石を含む地層ができた年代の幅を細くしぼることに役立ちます。確認2:誤りを見抜く
絶滅した生物なら、すべて示準化石に向きますか。向きません。生存期間が短く、広く分布したかを確認します。確認3:初見資料へ転用
同じ示準化石を含む砂岩と泥岩は、同じ環境ですか。同じ時間帯の可能性はありますが、岩相の違いから環境は異なった可能性があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。