このレッスンは「地層が重なる基本原理」セクションの1番目です。前のセクションで見分けた砂岩・泥岩・凝灰岩などが、露頭では何層にも重なって見えます。年代を考える前に、まず上下と境界を正しく記録します。
- 前から受け取る力:堆積岩を粒・成分・反応などの根拠で見分ける力
- このレッスンの中心:露頭写真や柱状図で、地層の上下・境界・岩石を観察事実として記録する力
- 次へ渡す力:堆積模型で、時間の順に層が下から積み重なる様子を確かめる力
まず知る
地層は、性質の違う層が重なったものです。層どうしの境を境界と呼びます。観察では、次を分けて記録します。
| 観察すること | 記録例 |
|---|---|
| 地層の上下 | 写真の上側・下側、柱状図の上端・下端 |
| 岩石の種類 | 砂岩、泥岩、凝灰岩など |
| 層の境界 | はっきりしている、ゆるやかに変わる、でこぼこしている |
| 層の厚さ | 30 cmなど、尺度と単位を付ける |
| 傾き | 水平、右上がりなど、写真の向きも確認 |
| 含まれるもの | 粒、化石、火山灰など |
「下にあるから古い」は、この段階ではまだ説明です。まず「泥岩層Aの上に砂岩層Bが重なる」という位置関係を事実として書きます。
図は正しい向きに置いた模式図です。実際の写真が回転していたり、地層が傾いていたりする場合は、画面の下と地層の下が同じとは限りません。方位、地表面、写真の説明を確認します。
理解する
観察事実と推測を分ける理由は、同じ見た目でも説明が複数あり得るからです。
「層Aが層Bより画面の下に見える」は写真上の事実です。しかし、地層全体が強く傾いている、上下が逆転している、写真が回転している場合は、画面の下が堆積時の下とは限りません。
また、色だけで境界を決めません。照明や風化で同じ岩石の色が変わることがあります。粒径、岩石の種類、化石、火山灰、層理などを組み合わせます。
境界がはっきりしていれば、堆積する物質や環境が比較的急に変わった可能性があります。境界がゆるやかなら、粒径や環境が少しずつ変化した可能性があります。ただし、この説明は観察後に考えるモデルです。
層の厚さも、写真上の見かけだけで測れません。斜めから撮影した写真では短く見える場合があります。尺度、撮影方向、柱状図の目盛りを使います。
このレッスンでは新旧をまだ確定しません。まず、後で原理を正しく使えるように、上下・境界・岩石・尺度をそろえます。
使う
露頭写真の説明を読みます。
「地表面が写真上部にあり、地層はほぼ水平である。下から、厚さ80 cmのれき岩層A、厚さ60 cmの砂岩層B、厚さ40 cmの泥岩層C、厚さ10 cmの凝灰岩層Dが重なる。AとBの境界ははっきりし、BからCへは粒が徐々に細かくなる。」
事実として書けること:
- Aの上にB、Bの上にC、Cの上にDがある
- Aはれき岩、Bは砂岩、Cは泥岩、Dは凝灰岩
- 最も厚いのはA、最も薄いのはD
- AとBの境界ははっきりしている
- BからCへ粒径が徐々に小さくなる
まだ資料だけでは言えないこと:
- 各層が何年前にできたか
- 厚いAが最も長い時間をかけて堆積したか
- 地域のどこまで同じ層が続くか
- 堆積後に絶対に乱れていないか
「厚いほど長時間」とは限りません。堆積する速さや物質の量が違うからです。これは後の誤答修正で詳しく扱います。
理解チェック1:直接確認
「砂岩層Bの上に泥岩層Cがある」は観察事実ですか、年代の推測ですか。
答え:位置関係を表す観察事実です。古い・新しいという年代判断はまだ含みません。
理解チェック2:誤解を直す
写真の下側にある層を、確認なしで「地層の下」としてよいですか。
答え:いけません。写真の回転、地表面、地層の傾き、上下の手がかりを確認し、画面上の上下と地層の上下を分けます。
理解チェック3:初見へ転用
色が似た二つの層の境界を確かめるには、何を追加で観察しますか。
答えの例:粒径、岩石の種類、化石、火山灰、層理、境界面の連続、尺度を観察します。色だけでは決めません。
転用する
地層資料では、年代を考える前に次をそろえます。
- 地表面と写真の向き
- 地層の上と下
- 各層の岩石名
- 層の境界
- 厚さと単位
- 傾きや乱れの有無
- 直接の事実と年代の推測
次のレッスンでは、透明容器に異なる粒を時間順に入れ、どの層が下に、どの層が上にできるかを観察します。今日の位置記録を使って、堆積した順序と上下関係を安全な模型で結びます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。