地層・火山灰・貫入・断層を出来事カードへ変えよう
まず知る
このレッスンは「大地の出来事を順番に並べる」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、化石や地層から長い地球の歴史を読みました。ここからは、一枚の地質断面図に残る手がかりを使い、その場所で何が起きたかを復元します。
最初の仕事は、図に見える「物」を、過去に起きた「出来事」へ言い換えることです。
| 図に見える物・境界 | 過去の出来事としての言い換え |
|---|---|
| 砂岩の層 | 砂が堆積し、固まった |
| 火山灰の層 | 火山が噴火し、火山灰が降り積もった |
| 地層を横切るマグマの岩体 | マグマが入り込み、冷えて固まった(貫入) |
| 地層がずれた境界 | 岩盤に力が加わり、断層運動が起きた |
| 地層の上部を削るでこぼこの面 | 地層が陸上などで侵食された |
| その面を覆う新しい地層 | 侵食の後、再び堆積が始まった |
岩石や境界は、出来事そのものではありません。たとえば断層線は「物の名前」に近く、順番へ入れるのは「断層運動が起きた」という出来事です。この区別ができると、後で「何が何より先か」を比べられます。
理解する
次の模式断面を見てください。色の違いだけでなく、形と接し方に注目します。
この図から、少なくとも次の出来事カードを作れます。
- 泥が堆積して泥岩Aになった。
- 砂が堆積して砂岩Bになった。
- 火山灰が降り積もり、火山灰層Cになった。
- マグマが貫入し、岩脈Dになった。
- 断層運動Eが起き、岩体がずれた。
ここでは、まだ順番を完成させません。「岩脈Dが地層を切っている」「断層Eが岩脈Dをずらしている」という観察は、次のレッスンで新旧関係へ変えます。まず出来事を漏れなく取り出すことが大切です。
また、図にない出来事を勝手に加えてはいけません。火山灰層があれば噴火と降灰は考えられますが、「火山がこの場所のすぐ横にあった」とまでは断定できません。火山灰は風で遠くまで運ばれるからです。科学では、資料が示すところまでを言い、示さないところは保留します。
使う
断面図を読むときは、次の手順で「出来事カード」を作ります。
- 地層ごとに記号を付ける。下からA、B、Cなどでよい。
- 地層以外の特徴を囲む。火山灰層、貫入岩、断層、侵食面、不整合など。
- 名詞を動詞の文へ変える。「砂岩」なら「砂が堆積した」、「断層」なら「断層運動が起きた」。
- 観察できた内容と推測を分ける。「地層がずれている」は観察、「地震が起きた」は仕組みに基づく説明。
- 資料にない出来事を混ぜていないか確認する。
例として、下から礫岩A、泥岩B、でこぼこの境界、その上に砂岩Cがあるとします。出来事カードは「礫が堆積」「泥が堆積」「地層が侵食」「砂が堆積」です。でこぼこの境界を「不整合」と呼べても、それだけでは不十分です。順序へ入れられる形で「侵食が起きた」と表すのがポイントです。
反対に、「大きな地震が起きた」「海面が100 m下がった」と加えるのは早すぎます。断層や侵食の原因には複数の可能性があり、この図だけでは大きさや数値を決められません。
転用する
入試では、見慣れない模様の断面図が出ても、岩石名を全部知っている必要はありません。図の凡例を読み、層・貫入・ずれ・削られた面を見つけ、出来事へ変換できれば出発できます。
未知の図では、次の問いを自分に向けましょう。
- これは堆積してできた層か、後から入り込んだ岩体か。
- 境界はただ接しているだけか、切っているか、ずらしているか。
- 削られた面の上に、新しい地層が重なっているか。
- 私が書いた出来事は図から読めるか、それとも想像を加えていないか。
出来事カードが正しく作れれば、複雑な断面も「小さな比較問題」の集まりになります。次のレッスンでは、カード同士を「Aが先、Bが後」という矢印で結びます。
確認1:火山灰層を出来事へ言い換えると?
火山が噴火し、運ばれた火山灰がその場所に降り積もった、と表します。火山の位置までは、この証拠だけでは決められません。確認2:「断層Eが最も新しい岩石である」という説明はなぜ不適切?
断層は岩石の種類ではありません。順番へ入れるのは、岩盤が破れてずれる「断層運動が起きた」という出来事です。確認3:礫岩Aと砂岩Bの間に侵食面がある未知の図では、どんなカードを作る?
少なくとも「礫が堆積した」「礫岩Aが侵食された」「砂が堆積して砂岩Bになった」を作ります。順番の決定は、次の段階で証拠と結びます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。