このレッスンは「地層が重なる基本原理」セクションの3番目です。前のレッスンでは、堆積物をA→B→C→Dの順に入れると、乱さない限り下からA→B→C→Dと重なることを確かめました。今回は、その関係を地層累重の法則として説明します。
- 前から受け取る力:堆積時刻と完成後の上下を模型で対応させる力
- このレッスンの中心:下ほど古く上ほど新しい原理を、使える条件とともに説明する力
- 次へ渡す力:柱状図と離れた地点の地層から、相対的な新旧を読む力
まず知る
地層累重の法則は、堆積してできた地層の新旧を判断する基本原理です。
大きな乱れを受けていない一続きの堆積層では、下の地層ほど先にできて古く、上の地層ほど後にできて新しい。
なぜなら、先に堆積した層の上へ、後の堆積物が重なるからです。
ただし、必ず条件を確認します。
| 確認する条件 | なぜ必要か |
|---|---|
| 堆積してできた地層か | マグマの貫入などは重なり方の意味が違う |
| 一続きの層序か | 別地点を無条件につなげられない |
| 上下が分かっているか | 写真の上下や現在の標高とは限らない |
| 逆転などの大きな乱れがないか | 堆積後に上下関係が変わる場合がある |
| 断層・侵食面がないか | 地層の一部が失われたり、ずれたりする |
地層が傾いているだけなら、堆積時の上下が分かれば法則を使えることがあります。傾きがあるから即座に使えないのではなく、上下が逆転していないかを確かめます。
理解する
この法則で分かるのは相対年代です。相対年代とは、「AはBより古い」「CはDより新しい」のような前後関係です。
相対年代だけでは、「Aは1億年前にできた」のような具体的な年代数値は分かりません。数値を知るには、放射性同位体による年代測定など別の証拠が必要です。
例として、乱れていない地層が下からA、B、C、Dと重なるなら、順序は次の通りです。
- 最も古い:A
- Aより新しくCより古い:B
- Bより新しくDより古い:C
- 最も新しい:D
岩石の種類は、順序を決める基準ではありません。Aが泥岩、Bが砂岩、Cが凝灰岩でも、位置と条件が確認できれば下から順に相対年代を読みます。「凝灰岩だから新しい」「れき岩だから古い」という規則はありません。
層の厚さも年代順を直接示しません。厚い層が短時間で大量に堆積することも、薄い層が長時間かけてできることもあります。厚さと古さを混同しません。
侵食面があると、地層の一部が失われた時間の空白があるかもしれません。それでも上下の相対順序を読める場合はありますが、「連続して堆積した」とは言えません。後の不整合のセクションで詳しく扱います。
使う
資料: 「地層はほぼ水平で、断層・しゅう曲・逆転の証拠は見られない。下から泥岩層P、砂岩層Q、凝灰岩層R、泥岩層Sが重なる。」
手順:
- 堆積層であることを確認する
- 下からの順序P→Q→R→Sを読む
- 大きな乱れの証拠がないことを確認する
- 地層累重の法則を使う
- 相対年代を答える
結論: 「Pが最も古く、Sが最も新しい。QはPより新しくRより古い。」
別の資料: 「地層が急傾斜し、片側に級化層理が見られる。」
この場合は、画面の下だけで決めません。粒が下から上へ細かくなる級化層理など、堆積時の上下を示す手がかりを調べます。断層や逆転の証拠も確認してから、法則を適用します。
理解チェック1:直接確認
乱れていない堆積層が下からA、B、Cと重なります。古い順に並べてください。
答え:A、B、Cです。先に堆積したAの上へB、さらにCが重なったからです。
理解チェック2:誤解を直す
「最下層Aは最も古いので、必ず何年前かも分かる」という説明の誤りは何ですか。
答え:地層累重の法則で分かるのは相対的な新旧です。具体的な年代数値には別の年代測定資料が必要です。
理解チェック3:初見へ転用
写真の下側にある層を最古とする前に、何を確認しますか。
答え:地表面、地層の本来の上下、写真の向き、傾き、断層、しゅう曲、逆転、侵食面などを確認します。
転用する
法則を使う答案は、次の形にします。
この資料では(堆積層であること・上下・乱れの有無)が確認できる。大きな乱れのない堆積層では後の層が上に積もるため、(層)は(層)より古い/新しい。
初見問題では、結論の前に適用条件を一言入れると、無条件な暗記ではなく理由のある答案になります。
次のレッスンでは、柱状図の凡例・標高・層の順序を読み、同一地点と離れた地点で相対年代を判断します。標高が高い層ほど新しいという誤りを避け、地層そのものの上下と対応を使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。