化石群集と柱状図から環境変化を読もう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、一つの地層について、示相化石から環境を推定する因果を学びました。ここでは柱状図の下から上へ化石と岩相を追い、一地点の環境が時間とともにどう変わったかを読みます。
化石群集とは、同じ地層から一緒に見つかる複数種類の化石のまとまりです。一個の化石より、複数種類が同じ環境を示し、母岩の特徴も一致すると、推定は強くなります。
大きな乱れがなければ、柱状図では下の地層ほど古く、上ほど新しいと考えます。したがって、環境の変化も下から上へ読みます。ただし、しゅう曲で逆転していないか、断層や不整合がないかを先に確認します。
理解する
化石と岩石の組合せを時間順に並べる
次の柱状図では、下から上へ、れき岩、シジミ化石を含む泥岩、サンゴ化石を含む石灰岩が重なっています。
読み取りは次のようになります。
- 古い時期:丸いれきを運べる強い流れがある、川に近い環境。
- 次の時期:シジミが暮らす河口・湖などの淡水・汽水環境。細かな泥がたまるほど流れは弱い。
- 新しい時期:サンゴが暮らす暖かく浅い海。石灰岩もこの推定を支える。
一地点の環境は、川に近い場所から河口、暖かく浅い海へ変化した可能性があります。海岸線が陸側へ移動した、土地が沈降した、海水準が上昇したなどが原因候補です。柱状図だけで原因を一つに決めず、環境の変化とその原因を分けます。
使う
資料表から環境の変化を記述する
| 層 | 岩石 | 化石・構造 |
|---|---|---|
| 上 | 砂岩 | アサリ化石、波のあと |
| 中 | 泥岩 | 深い海に暮らす生物X |
| 下 | 砂岩 | アサリ化石、波のあと |
下から読むと、浅い海→より深い海→再び浅い海という変化です。砂岩だけを見れば上層と下層は同じですが、中間の泥岩と生物Xを合わせることで、途中に深くなった時期があったと分かります。
記述では「下層のアサリと波のあとから浅い海、中層の泥岩と生物Xからより深い海、上層で再びアサリと波のあとが現れるので、浅い海へ戻った」と、各段階の証拠を入れます。
化石群集で確かさを上げる
サンゴ一個だけでなく、暖かい浅海に暮らす複数の生物が同じ層から見つかり、保存がよく、母岩も石灰岩なら推定は強くなります。反対に、生息環境の異なる化石が混じるなら、運搬・再堆積・地層の混同を点検します。
転用する
離れた二地点の違いを空間変化として読む
同じかぎ層の直上で、西の地点はれき岩、東の地点は泥岩だったとします。同じ時期でも、西は川や岸に近く、東は沖側だった可能性があります。柱状図の上下は時間変化、同じ高さでの地点差は空間変化を表します。この二つを混ぜないことが重要です。
初見問題では、まず同一地点の下から上を追い、次に同じかぎ層を基準に地点間を比べます。時間と空間を分けた後で、地域全体の環境を組み立てます。
次のレッスンでは、一個の化石だけで環境を断定する、示相化石で年代まで決める、といった誤答を証拠の役割から修正します。
確認1:直接確認
大きな乱れのない柱状図では、環境変化をどちらから読みますか。下の古い地層から上の新しい地層へ読みます。確認2:誤りを見抜く
下から川、河口、浅い海へ変化したので、原因は必ず海水準上昇だと答えました。土地の沈降や海岸線の移動など別の原因もあり、資料だけでは一つに決められません。確認3:初見資料へ転用
同じかぎ層の上でA地点はれき岩、B地点は泥岩です。これは時間差ですか。かぎ層が同じ時間面なら、主に同時期の場所による環境差として読みます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。