このレッスンは「堆積岩を見分けよう」セクションの1番目です。前のセクションでは、れき・砂・泥の粒径と堆積場所を学びました。今回は、それらの堆積物や火山灰、生物由来の物質が固まった岩石を、観察の手がかりで整理します。
- 前から受け取る力:れき・砂・泥を粒径で区別し、堆積場所との関係を説明する力
- このレッスンの中心:六つの堆積岩を、粒・成分・反応という複数の手がかりで区別する力
- 次へ渡す力:標本を安全に、同じ基準で観察して記録する力
まず知る
中学校で扱う代表的な堆積岩は、れき岩、砂岩、泥岩、凝灰岩、石灰岩、チャートです。見分ける手がかりは一つではありません。
| 岩石 | 主な材料・粒 | 観察の中心 | 補助となる手がかり |
|---|---|---|---|
| れき岩 | れき | 2 mm以上の丸みを帯びた粒が目立つ | 粒の間が細かな物質で固まる |
| 砂岩 | 砂 | 砂粒が見え、ざらざらする | 粒はれき岩より細かい |
| 泥岩 | 泥 | 一粒ずつ見分けにくい | 表面が比較的なめらかに見える |
| 凝灰岩 | 火山灰など | 火山灰が固まっている | 火山由来の粒や軽石片を含むことがある |
| 石灰岩 | 炭酸カルシウムを多く含む物質 | 生物の殻などを含むことがある | 薄い塩酸で二酸化炭素の泡を出す |
| チャート | 二酸化ケイ素を多く含む物質 | 非常に細かく、かたい | 放散虫などに由来することがあり、薄い塩酸では石灰岩のように発泡しない |
薄い塩酸を使う反応は、先生の管理下で行う観察です。自分で薬品を用意したり、標本へ勝手にかけたりしません。
図の色は分類基準ではありません。同じ名前の岩石でも、含まれる鉱物や風化の程度によって色は変わります。
理解する
れき岩・砂岩・泥岩は、もとの粒の大きさと対応します。
- れきが堆積して固まる → れき岩
- 砂が堆積して固まる → 砂岩
- 泥が堆積して固まる → 泥岩
この三つは砕屑物からできる堆積岩です。前のセクションで学んだ粒径分類が、そのまま岩石を見分ける基礎になります。
凝灰岩は火山灰などの火山噴出物が堆積して固まった岩石です。火山に関係しますが、マグマが地下や地表で直接冷えて固まった火成岩ではありません。「どこから来たか」だけでなく「どのような過程で岩石になったか」を見ます。
石灰岩とチャートには、生物の体をつくっていた物質が関係するものがあります。しかし、同じ岩石ではありません。石灰岩は炭酸カルシウムを主成分とするものが多く、薄い塩酸で発泡します。チャートは二酸化ケイ素を主成分とし、石灰岩よりかたく、薄い塩酸で石灰岩のような発泡をしません。
化石が見えないから石灰岩やチャートではない、とは限りません。生物由来の粒が非常に細かく、肉眼で化石の形が分からないことがあるからです。反対に、化石が入っているだけで石灰岩と決めることもできません。別の岩石にも化石が含まれる場合があります。
よい同定は、粒径・成分・反応・硬さ・含まれる粒など、二つ以上の独立した手がかりを組み合わせます。
使う
観察記録から候補を絞ります。
試料A: 「2〜8 mmほどの丸い粒が多く、粒の間が細かな物質で固まっている。」
判定:れき岩
根拠:2 mm以上のれきが目立ち、粒が固結しているため。
試料B: 「一粒ずつ見分けにくい。薄い塩酸で目立つ泡を出さない。」
判定候補:泥岩またはチャートなど
この二つの事実だけでは確定しにくい。硬さ、割れ方、成分を追加で観察する。
試料C: 「細かな岩石だが、先生が薄い塩酸を一滴付けると泡が出た。」
判定候補:石灰岩
根拠:炭酸カルシウムを多く含む岩石に見られる反応だから。ただし安全な管理下で再確認する。
試料D: 「火山灰に由来する細かな粒と軽石片が見える。」
判定:凝灰岩
根拠:火山噴出物が堆積して固まった特徴があるため。
理解チェック1:直接確認
れき岩・砂岩・泥岩を分ける中心の手がかりは何ですか。
答え:岩石をつくる粒の大きさです。れき、砂、泥のどの大きさの粒が中心かを見ます。
理解チェック2:誤解を直す
「凝灰岩は火山から来たので火成岩である」という説明は、どこが違いますか。
答え:凝灰岩は火山灰などが堆積して固まった堆積岩です。マグマが直接冷えて固まる火成岩とは、岩石になる過程が違います。
理解チェック3:初見へ転用
白っぽい二つの標本があり、一方だけが薄い塩酸で発泡しました。色だけでなく、どのように候補を考えますか。
答え:発泡した標本は石灰岩の候補です。発泡しない標本はチャートなどの可能性を考え、硬さ・粒・成分を追加で観察します。色だけでは決めません。
転用する
未知の堆積岩は、次の順で手がかりを集めます。
- 大きな粒が見えるか
- 砂粒が見えるか、それとも一粒を見分けにくいか
- 火山灰や軽石片に見える粒があるか
- 化石や生物由来の構造があるか
- 教師管理の反応試験や、安全な硬さの資料があるか
- 二つ以上の根拠が同じ候補を支えるか
- まだ区別できない候補と、必要な追加観察を残す
次のレッスンでは、ルーペ、粒径尺度、観察表を使い、六つの標本を同じ順番・同じ基準で観察します。薄い塩酸の反応を扱う場合は、安全上の役割分担も明確にします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。