凡例・上下・厚さ・標高を取り違えず読もう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のセクションでは、離れた地点の地層を、かぎ層や上下の並びで結びました。このセクションでは、その材料になる柱状図を正確に読みます。第1レッスンの仕事は、推定を急がず、図に書かれた事実を取り出すことです。
柱状図は、ある地点で見られる地層を、縦に積み重ねて表した図です。まず次の六つを確認します。
| 確認するもの | 読み取る内容 |
|---|---|
| 題名・地点 | どこの記録か |
| 上下 | 地表側と地下側はどちらか |
| 凡例 | れき岩・砂岩・泥岩・凝灰岩などの模様 |
| 目盛り・単位 | 1目盛りが何mか |
| 層厚 | 地層の上面から下面までの実際の厚さ |
| 標高・深さ | 海面からの高さか、地表から下への距離か |
標高は海面を0 mとした高さ、深さはその地点の地表から下へ測った距離です。同じ「20 m」という数字でも意味が違います。
理解する
一本の柱状図を順番に読む
次の図では、地表の標高は120 mです。地下へ向かって泥岩、凝灰岩、砂岩が重なっています。左の数字は地表からの深さ、右の数字は境界の標高です。
読み方は「全体→境界→各層」の順です。
- 地点A、地表の標高120 mを確認する。
- 上が地表、下が地下だと確認する。
- 凡例から岩石名を読む。
- 境界の深さを読む。泥岩と凝灰岩の境界は深さ10 mである。
- 層厚は境界どうしの差で求める。凝灰岩は15−10=5 mである。
大切なのは、紙の上で長く見えるかではなく、目盛りと単位で実際の厚さを読むことです。図が拡大・縮小されても、数値が同じなら実際の厚さは変わりません。
使う
例題で事実だけを取り出す
地点Bの地表は標高85 mです。深さ0〜4 mが砂岩、4〜7 mが凝灰岩、7〜19 mが泥岩でした。
- 砂岩の層厚:4−0=4 m
- 凝灰岩の層厚:7−4=3 m
- 泥岩の層厚:19−7=12 m
- 凝灰岩上面の標高:85−4=81 m
- 凝灰岩下面の標高:85−7=78 m
「凝灰岩は深さ4〜7 mにある」と「凝灰岩は標高78〜81 mにある」は、同じ地層を別の基準で表した文です。別地点と比べるときは、地表の高さが違うので、深さではなく標高へ直す必要があります。
よくある誤りを直す
誤り:「図で泥岩が一番長いから、どの地点でも泥岩が一番厚い。」
直し方:この柱状図で、目盛りから泥岩が12 mだとは言えます。しかし、柱状図は一地点の記録です。別地点の厚さまで決めることはできません。「この地点では」と資料の範囲を付けて答えます。
転用する
初見の柱状図で使う読み取り手順
初めて見る図では、いきなり地層の傾きを考えず、次の順で余白に印を付けます。
- 地点名と地表の標高を囲む。
- 上下と目盛りの単位を確認する。
- 凡例と各層の境界を対応させる。
- 境界の深さと層厚を記録する。
- 必要な境界だけ標高へ直す。
- 読み取った事実と、そこからの推定を別の欄に書く。
この手順を守ると、「同じ深さだから同じ地層」「紙面上で同じ高さだから同じ標高」という誤りを防げます。次は、実際の露頭資料をどのように柱状図へ写すかを学びます。
確認1:直接確認
地表の標高が100 mで、ある境界が深さ8 mにあります。境界の標高は何mですか。答えは92 mです。100−8で求めます。確認2:誤りを見抜く
二つの柱状図で、どちらも深さ5 mに凝灰岩がありました。「凝灰岩の標高も同じ」と言えますか。言えません。地表の標高を確認し、標高へ直して比べます。確認3:初見資料へ転用
コピーで縦だけ2倍に拡大された柱状図では、実際の層厚も2倍になりますか。なりません。目盛りと単位が示す実際の値を読みます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。