化石の生存期間と分布範囲を表から読み取ろう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、示準化石に「短い生存期間」と「広い分布」が必要だと学びました。ここでは、化石の出現・絶滅時期を示す帯グラフと、産出地点を示す表から、その二条件を自分で読み取ります。
年代表では、数値が大きいほど古い場合があります。たとえば1億2000万年前は、1億年前より古い時代です。横軸の向きと単位を先に確認します。
帯の左端と右端は、その生物の化石が確認される年代範囲を示します。帯が短いほど年代を細かくしぼりやすいですが、一地点だけの短い帯では、広域対比に向くかは分かりません。分布地点も別に確認します。
理解する
期間と分布を二つの資料から読む
次は架空の生物X・Y・Zの資料です。
- 生物X:1億2000万年前から8000万年前までの長い期間。A〜Dの四地点に分布。
- 生物Y:1億800万年前から1億200万年前までの短い期間。A〜Dの四地点に分布。
- 生物Z:1億700万年前から1億300万年前までの短い期間。ただしA地点だけに分布。
三つの中ではYが最も示準化石に向きます。Xは広く分布しますが期間が長く、年代を細かくしぼれません。Zは期間が短くても分布が狭く、遠くの地層を同じ基準で比べにくいからです。
使う
帯グラフを四手で読む
- 横軸の単位と古い・新しい向きを確認する。
- 帯の両端から確認される年代範囲を読む。
- 期間の長さを比べる。
- 産出地点の数と広がりを比べる。
例題:生物Aは500万年間、三大陸で見つかります。生物Bは200万年間、一つの湖だけで見つかります。どちらが広域の年代対比に向きますか。
生物Aです。Bのほうが期間は短いですが、分布が狭いため離れた地域を結べません。二条件はどちらか一方ではなく、組合せで評価します。
一地点の「見つからない」に注意する
ある地点で生物Yが1億500万年前より新しい地層から見つからなくても、そこでの記録だけでYが世界中から絶滅した時期とは断定できません。地層が欠けた、環境が変わった、化石にならなかった、まだ発見されていない可能性があります。複数地点の記録を集めて範囲を確かめます。
転用する
柱状図の化石帯を読む
柱状図で、生物Yが深さ18〜12 mの層だけに見つかるとします。この厚さ6 mは生物の生存期間そのものではありません。堆積速度が分からないため、厚い地層が必ず長い時間を示すとは限らないからです。年代表の時間軸と柱状図の厚さを混同しません。
未知資料では、「地層中の上下範囲」「年代表上の時間範囲」「地理的な分布範囲」を三つに分けて読みます。これにより、地層が厚いから長期間生存した、という誤りを防げます。
次のレッスンでは、短い生存期間と広い分布が、なぜ年代の判定と離れた地層の対比に役立つのかを因果で説明します。
確認1:直接確認
帯グラフで示準化石候補を見るとき、期間以外に何を確認しますか。化石が見つかる地理的な分布範囲です。確認2:誤りを見抜く
一地点で化石が見つからなくなった最上部を、その生物の絶滅時期と決めてよいですか。決められません。地層の欠失、環境、保存、未発見を点検し、複数地点で確かめます。確認3:初見資料へ転用
生物Pは300万年間・五大陸、生物Qは100万年間・一つの湾に分布しました。広域対比ではPが有力です。Qは短期間でも分布が狭いからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。