化石数・種類数のグラフから時代の転換を読もう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、化石群集が変わる原因候補を整理しました。ここでは、化石の種類数や産出数を時間軸のグラフから読み、急減・回復・欠測を区別します。
最初に縦軸が何を数えているかを確認します。
| 縦軸 | 意味 | 注意 |
|---|---|---|
| 化石の種類数 | 確認された異なる種類の数 | 当時の全種類ではない |
| 化石標本数 | 採集された化石の個数 | 同じ種類を多数含むことがある |
| 産出地点数 | 化石が見つかった地点の数 | 調査地点数の影響を受ける |
「種類数」と「個体数」は別です。また、化石記録は保存・露出・採集の影響を受けます。
理解する
急減・回復・欠測を図から読む
次は架空の地域で確認された海生化石の種類数です。左ほど古く、右ほど新しい時間軸です。
100百万年前の42種類から90百万年前の10種類へ、32種類減っています。グラフ上では急減です。その後、80百万年前18種類、70百万年前30種類、60百万年前38種類と増え、回復しています。
このグラフから直接言えるのは「この調査資料で確認された種類数が、100〜90百万年前に急減した」です。「世界的な大量絶滅が起きた」は解釈であり、別地域や別環境でも同じ年代に急減するか確認が必要です。
使う
グラフを五手で読む
- 横軸の単位と古い・新しい向きを確認する。
- 縦軸が種類数・標本数・地点数のどれか確認する。
- 急な変化が始まる区間を読む。
- 変化量を数値で示す。
- 観察事実と原因の解釈を分ける。
例題:「80〜70百万年前の変化を説明しなさい。」
80百万年前の18種類から70百万年前の30種類へ12種類増えています。したがって「確認された種類数は12増え、回復傾向を示す」と答えます。何が原因で回復したかは、このグラフだけでは決まりません。
欠測と0を区別する
75百万年前の地層が侵食されて残っておらず、データがない場合は欠測です。グラフ上の0種類とは違います。欠測点を0に置くと、実際には調べられない場所で絶滅が起きたように見えてしまいます。点を結ばず、空白や破線で示します。
また、採集した岩石量が時代ごとに違うと、標本数は調査量の影響を受けます。100 kgから40個と、1 kgから10個を個数だけで比べてはいけません。必要なら同じ岩石量当たりへそろえます。
転用する
世界的変化か地域変化かを見分ける
同じ年代に、海の浅い地点Aだけで種類数が減り、沖の地点Bでは変わらないなら、地域的な環境変化の可能性があります。多くの大陸・さまざまな環境で同時に急減するなら、広域的な出来事や大量絶滅の説明が強くなります。
グラフを一枚増やすときは、調査地域、年代の精度、採集量、保存されやすさをそろえて比較します。
次のレッスンでは、時代区分の長さ、年代数値の向き、恐竜と人類の時代差、代表化石の生存期間について、よくある誤答を年表へ戻って修正します。
確認1:直接確認
種類数が35から12へ変化しました。何種類減りましたか。23種類減りました。確認2:誤りを見抜く
地層が欠けてデータがない点を0種類としてよいですか。いけません。欠測と0は意味が異なります。確認3:初見資料へ転用
同じ年代に多くの地域・環境で種類数が急減したなら、地域的移動より広域的な絶滅事象の説明が強くなります。ただし採集量や保存条件も点検します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。