このレッスンは「粒の大きさと堆積する場所」セクションの2番目です。前のレッスンで、れき・砂・泥を粒の大きさで分類しました。今回は、粒の大きさによって水中での沈み方がどう変わるかを、公平な実験で確かめます。
- 前から受け取る力:粒径を基準に、れき・砂・泥を区別する力
- このレッスンの中心:粒径だけを変え、沈む時間や堆積順を安全に比較する力
- 次へ渡す力:流れが弱まった場所で、どの粒から堆積するかを説明する力
まず知る
公平な実験では、調べたい条件を一つだけ変え、ほかの条件をそろえます。今回は「粒の大きさ」が沈む速さにどう関係するかを調べます。
| 条件の種類 | この実験での内容 |
|---|---|
| 変える条件 | 粒の大きさ |
| 測る結果 | 水面から容器の底まで沈む時間 |
| そろえる条件 | 水深、容器、水温、粒の材料・密度・形、落とす高さ、開始方法 |
| 繰り返すこと | 各粒径で3回以上測り、代表値やばらつきを見る |
本物のれき・砂・泥では、粒の大きさだけでなく、材料・密度・形も違うことがあります。粒径だけの影響を調べたいなら、同じ材料を大きさだけ変えた模型粒を使うと比較しやすくなります。
安全にも注意します。
- ふたのできる透明容器か、倒れにくい容器を使う
- ガラス容器の破損を避け、先生の指示に従う
- 土ぼこりを吸い込まず、粒を口に入れない
- こぼれた水はすぐ拭き、観察後に手を洗う
- 川や海へ無理に試料を取りに行かない
次の図は、同じ水深から大・中・小の模型粒を同時に落としたときの観察例です。
これは結果を予告するための模式図です。実際の測定値は、必ず自分たちの記録から判断します。
理解する
粒が水中を落ちるとき、下向きには重力がはたらき、水からは浮力や動きを妨げる抵抗を受けます。同じ材料・同じ形なら、一般に大きい粒ほど速く沈み、小さい粒ほどゆっくり沈みます。
ただし、結果を粒径のせいだと言うには条件をそろえる必要があります。たとえば、大きな鉄球と小さな発泡スチロール球を比べると、粒径だけでなく密度も変わります。これでは、違いが大きさによるのか材料によるのか分かりません。
同じように、一方を水面から、もう一方を水中の途中から落とすと移動距離が違います。片方だけを勢いよく投げ入れると開始条件が違います。公平な比較では「大きさ以外に違いはないか」を一つずつ確認します。
測定は一回だけで決めません。ストップウォッチを押す反応時間、粒を離すわずかなずれ、水の揺れなどで値が変わるからです。複数回測って値が近いかを見ます。極端に違う値が出たら消す前に、開始のずれや粒の接触など原因を記録します。
この実験は自然の川を小さく再現した模型です。実際の川には流水があり、粒同士の衝突、川底の凹凸、粒の形、洪水なども関わります。模型で確かめた「静かな水での沈み方」を、そのまま自然のすべてと同じだとはしません。
使う
実験手順を組み立てます。
- 同じ透明容器に一定の高さまで水を入れ、水深を測る
- 同じ材料・似た形で、大・中・小の模型粒を用意する
- 水面の同じ高さから、粒を押さずに離す
- 水面を通過してから底へ着くまでの時間を測る
- 各粒を3回ずつ測り、記録表に書く
- 平均値だけでなく、測定値のばらつきも比べる
- 実験から言えることと、自然の川へ予想できることを分けて書く
観察例を読んでみます。
| 粒 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 大 | 1.2秒 | 1.1秒 | 1.3秒 | 1.2秒 |
| 中 | 2.5秒 | 2.4秒 | 2.6秒 | 2.5秒 |
| 小 | 6.8秒 | 7.1秒 | 6.9秒 | 約6.9秒 |
この結果から、今回の条件では大きな粒ほど短時間で底へ着いたと言えます。「どんな場合でも必ず」とは言わず、「同じ材料・似た形・同じ水深という今回の条件では」と条件を付けます。
理解チェック1:直接確認
粒の大きさの影響を調べるとき、変える条件と、そろえる条件を一つずつ答えてください。
答え:変える条件は粒の大きさです。そろえる条件の例は、粒の材料・形、水深、水温、落とす高さ、開始方法です。
理解チェック2:誤解を直す
大きな鉄球と小さな木の球を水に落として、大きさだけが沈む速さを決めると結論しました。何が問題ですか。
答え:大きさと同時に材料や密度も変わっているため、どの条件が結果に影響したか分かりません。同じ材料・似た形で大きさだけを変えます。
理解チェック3:初見へ転用
三回の測定が2.0秒、2.1秒、8.5秒でした。すぐ平均だけを計算する前に何をしますか。
答え:8.5秒の回で、開始の遅れ、容器への接触、水の揺れなどがなかったか記録を確認します。理由なく値を消さず、再測定して再現するかも確かめます。
転用する
公平な実験を考えるときは、次の四点をセットで書きます。
- 何を一つだけ変えるか
- 何を測るか
- 何をそろえるか
- 何回測り、ばらつきをどう扱うか
次のレッスンでは、この沈降実験を「流れが弱まる場所で、なぜ大きな粒から堆積しやすいのか」という自然のしくみへつなぎます。模型の結果と自然の川の違いも残しながら説明します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。