層厚・標高・深度の関係を説明しよう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、露頭の情報を柱状図へ正確に写しました。ここでは、一本の柱状図に書かれた「層厚」「深さ」「標高」をつなぎます。この関係が分かると、地表の高さが違う地点どうしでも、同じ地層の位置を比べられます。
三つの量を区別しましょう。
| 量 | 基準 | 例 |
|---|---|---|
| 層厚 | 地層の上面から下面まで | 凝灰岩の厚さ3 m |
| 深さ | その地点の地表から下へ | 地表から深さ8 m |
| 標高 | 平均海面を0 mとして上下へ | 標高72 m |
地表の標高と、ある境界までの深さが分かれば、境界の標高を求められます。
境界の標高 = 地表の標高 − 境界までの深さ
理解する
同じ深さでも標高が違う理由
丘の上と低地では、地表の標高が違います。そのため、どちらも「深さ10 m」にある地層でも、海面から測った標高は同じとは限りません。
地点Aは地表標高100 mなので、深さ10 mの境界は100−10=標高90 mです。地点Bは地表標高80 mなので、同じ深さ10 mでも80−10=標高70 mです。
層厚はさらに別の量です。ある地層の上面が深さ8 m、下面が深さ13 mなら、層厚は13−8=5 mです。上面の標高と下面の標高の差を使っても、地層がほぼ水平で柱状図が鉛直方向の厚さを表す条件なら5 mになります。
使う
境界の標高をそろえて比べる
地点Cの地表は標高130 mで、凝灰岩の上面は深さ18 mです。地点Dの地表は標高105 mで、同じ特徴をもつ凝灰岩の上面は深さ5 mです。
- 地点C:130−18=標高112 m
- 地点D:105−5=標高100 m
深さだけを見ると、地点Cの凝灰岩は地点Dより深い位置にあります。しかし、標高へ直すと地点Cのほうが12 m高い位置です。「深い」という言葉を使うときは、地表からの深さなのか、海面を基準にした低さなのかを明確にします。
上面と下面を混同しない
凝灰岩の上面が標高112 m、下面が標高109 mなら、層厚は3 mです。離れた地点で比べるときは、上面どうし、または下面どうしを比べます。地点Cの上面と地点Dの下面を比べると、層厚の分だけずれ、傾きの判断を誤ります。
転用する
未知地点の地層位置を考える準備
柱状図が三本あるときは、次の表を自分で作ると整理できます。
| 地点 | 地表標高 | かぎ層上面までの深さ | かぎ層上面の標高 |
|---|---|---|---|
| P | 90 m | 6 m | 84 m |
| Q | 105 m | 15 m | 90 m |
| R | 80 m | 8 m | 72 m |
この表では、上面の標高はQ、P、Rの順に低くなります。ただし、地点の方位や水平距離がなければ、どちら向きにどれほど傾くかまでは決められません。数値を求めた後も、資料が答えられる範囲を確かめます。
次のレッスンでは、地点の位置と水平距離も加え、かぎ層の標高差から傾きと地下での位置を推定します。
確認1:直接確認
地表の標高が95 m、境界までの深さが12 mです。境界の標高は何mですか。95−12=83 mです。確認2:誤りを見抜く
二地点で同じ地層がどちらも深さ7 mにあるので、地層は水平だと言えますか。言えません。地表標高を使って境界標高を求め、同じ面どうしを比べます。確認3:初見資料へ転用
地表標高120 mの地点で、砂岩の上面が深さ9 m、下面が深さ14 mです。上面標高111 m、下面標高106 m、層厚5 mです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。