露頭の境界を測って柱状図へ正確に写そう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
前のレッスンでは、完成した柱状図から凡例・層厚・標高を読みました。今度は逆に、露頭の観察記録を柱状図へ変えます。目的は、見た目の印象ではなく、ほかの人も確かめられる記録を作ることです。
露頭とは、地層や岩石が地表に現れている場所です。観察では、次の情報を下から上へ順に記録します。
- 地層の境界の位置
- 各層の厚さと単位
- れき・砂・泥などの粒の大きさ
- 色、硬さ、しま模様などの特徴
- 化石や火山灰層などの手がかり
- 地層の傾き、方位、観察地点
写真や図から作る場合も同じです。ただし、縮尺がなければ実際の厚さは決められません。「観察できたこと」と「資料だけでは決められないこと」を分けます。
理解する
露頭を柱状図へ変換する仕組み
露頭は横から見た姿、柱状図は一地点の地層を縦に整理した記録です。露頭の境界を順にたどり、岩相と厚さを同じ縮尺で積み上げます。
ここで注意したいのが、見かけの幅と真の層厚です。地層が傾き、斜面も斜めなら、露頭で見える帯の幅は地層の本当の厚さと一致しないことがあります。問題で「地層面に垂直な厚さ」が示されていればそれを使います。条件がなければ、無理に真の厚さを決めず「露出幅」と記録します。
使う
記録から柱状図を作る手順
ある地点で、下から順に次の記録が得られました。
| 下端からの高さ | 観察した地層 |
|---|---|
| 0〜3 m | 丸いれきを含むれき岩 |
| 3〜8 m | 斜めのしまがある砂岩 |
| 8〜9 m | 白い火山灰を含む凝灰岩 |
| 9〜13 m | 細かい泥岩、貝化石あり |
作図では、まず全体13 mを同じ縮尺で取ります。次に0、3、8、9、13 mへ境界線を引き、凡例の模様を入れます。化石や特徴は記号または短い注記で残します。凝灰岩が薄くても、省略してはいけません。離れた地点を対比するかぎ層になる可能性があるからです。
安全と公正さ
実際の観察では、崖の直下、落石の危険がある場所、立入禁止区域へ入りません。危険な場所は写真、公開された露頭図、ボーリング資料で学びます。また、比較するときは、同じ凡例・同じ縮尺・同じ単位を使います。地点ごとに描き方を変えると、地層の違いなのか表現の違いなのか分からなくなります。
転用する
不完全な資料から何を残すか
露頭の一部が草や土で見えない場合、その範囲を「地層なし」と描いてはいけません。観察できない部分を空白や「不明」として残します。見つからないことと、存在しないことは別です。
未知の資料では次の順に判断します。
- 地点、上下、縮尺、単位を確認する。
- 観察できる境界と不明部分を分ける。
- 各層の粒径・岩相・特徴を記録する。
- 厚さが真の層厚か、見かけの露出幅か確認する。
- 同じ凡例と縮尺で柱状図へ写す。
- 推定した部分には点線や「候補」と明記する。
次のレッスンでは、できあがった柱状図の深さを標高へ直し、離れた地点を同じ高さの基準で比べます。
確認1:直接確認
0〜4 mが砂岩、4〜5 mが凝灰岩、5〜11 mが泥岩です。各層の厚さは何mですか。砂岩4 m、凝灰岩1 m、泥岩6 mです。確認2:誤りを見抜く
草で隠れた2 mの範囲を「地層がない」と記録してよいですか。いけません。「観察できない」「不明」とし、存在しないとは断定しません。確認3:初見資料へ転用
傾いた露頭で地層の帯が8 mに見えました。真の層厚を8 mとしてよいですか。地層面に垂直な厚さか確認できない限り、露出幅8 mと記録し、真の層厚とは分けます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。