LESSON 01

風化・侵食・運搬・堆積

流水モデルを安全に公正な条件で比べよう

浅いトレー模型で一条件だけを変え、侵食量・粒の移動距離・堆積位置を安全かつ公平に比較します。

流水モデルを安全に公正な条件で比べよう

このレッスンは「風化・侵食・運搬・堆積」6レッスン中の2番目です。前のレッスンで区別した四つの過程を、浅いトレーの模型で観察します。自然の川を再現したつもりになるのではなく、一つの条件が結果へどう影響するかを公平に比べます。

前から受け取る力:風化・侵食・運搬・堆積を、粒のできる・削られる・動く・止まるで区別する
今回完成させる力:変える条件を一つにし、侵食量・移動距離・堆積位置を安全に測って比較する
次へ渡す力:流れの強さと粒の大きさから、運搬と堆積の関係を説明する

まず知る

公平な実験では、変える条件を一つにします。ほかの条件をそろえると、結果の違いを何の影響として考えられるかが明確になります。

傾きの影響を調べる例では、次のように設計します。

種類 この実験での内容
変える条件 トレーの傾きだけ
そろえる条件 土砂の種類・質量、水量、流す時間、注ぐ位置、トレーの形
測る結果 削られた溝の幅、運ばれた粒の距離、堆積した場所
繰り返し 同じ条件を3回行い、ばらつきを見る

安全のため、机を防水シートで覆い、浅いトレーを安定した場所に置きます。少量の水を使い、こぼれた水はすぐ拭きます。ぬれた床を放置せず、土砂や水を排水口へ流さず、先生の指示で回収します。自然の川や崖へ入って確かめません。

傾きだけを変えて流水の侵食・運搬・堆積を比べる模型実験 左は小さい傾き、右は大きい傾きのトレーで、土砂量・水量・注ぐ位置・時間をそろえ、移動距離と堆積位置を測る 条件A:傾き5° 水100 mL 粒の移動距離を測る 条件B:傾き15° 水100 mL 同じ方法で測る 傾き以外をそろえ、結果の差を傾きと結びつける

理解する

水量と傾きを同時に変え、条件Bの溝が深くなっても、どちらが原因か分かりません。水量が多かったためか、傾きが大きかったためか、両方かを区別できないからです。一条件だけを変えることが、原因を考える土台になります。

観察語もそろえます。

  • 土砂表面から粒が削り取られる:侵食
  • 粒が水とともに下流へ動く:運搬
  • 動きが止まり、粒がたまる:堆積

「水が流れた」は条件であり、「溝が3 mm深くなった」は測定結果です。「傾きが大きいほど侵食が強まった」は、条件と結果を比べた解釈です。

模型には限界があります。自然の川とは大きさ、時間、川底の岩石、植物、曲がり方、水量の変化が違います。模型で確かめられるのは、指定した条件の範囲での関係です。小さな模型の結果を、そのまますべての川へ広げません。

使う

傾き5°と15°を比べ、ほかの条件をそろえて3回ずつ実験した結果が次の通りでした。

傾き 粒の平均移動距離 溝の平均深さ
32 cm 2 mm
15° 58 cm 5 mm

この実験範囲では、傾き15°の方が粒の移動距離が長く、溝も深くなりました。したがって「同じ土砂・水量・時間では、傾きが大きい条件ほど侵食と運搬が大きくなった」といえます。

「傾きが大きければ自然界でも必ず58 cm運ぶ」とは言えません。58 cmはこの模型の寸法・材料・水量で得た値です。

結果にばらつきが大きい場合は、注ぐ位置、水を流す速さ、土砂のならし方が同じだったか確認します。都合の悪い回だけ捨てず、理由を記録して再実験します。

確認1:直接確認傾きの影響を調べるとき、変える条件とそろえる条件を一つずつ挙げてください。変えるのは傾き。そろえる例は水量、土砂、時間、注ぐ位置です。
確認2:誤りを修正条件Aは水100 mL・傾き5°、条件Bは水200 mL・傾き15°でした。傾きの影響を判定できますか。水量も変わっているため判定できません。傾き以外をそろえます。
確認3:別資料へ転用粒の大きさの影響を調べるなら何を変え、何をそろえますか。粒径だけを変え、水量・傾き・土砂質量・時間・注ぐ位置などをそろえます。

転用する

未知の実験計画を見たら、次の四欄を作ります。

  1. 変えた条件
  2. そろえた条件
  3. 測った結果
  4. 模型から言える範囲

結果が違っても、比較条件がそろっていなければ原因を決めません。結果が似ていても、測定精度が粗すぎないか確認します。

次は模型で見えた粒の動きを使い、流れが強いと大きな粒まで運べ、流れが弱まると運びきれない粒から堆積する理由を説明します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。