LESSON 01

堆積岩を見分けよう

観察データと分類表から堆積岩を判定しよう

粒径・火山灰粒・塩酸反応・硬さ・成分の観察表を分類キーと照合し、複数根拠と追加観察を示して判定します。

このレッスンは「堆積岩を見分けよう」セクションの4番目です。これまでに、標本を観察し、特徴が生まれるでき方を説明しました。今回は、観察表と分類キーを使い、未知標本の候補を順番に絞ります。

  • 前から受け取る力:粒・成分・反応を、堆積岩のでき方と結びつける力
  • このレッスンの中心:観察データを分類キーと照合し、複数根拠で岩石名を判定する力
  • 次へ渡す力:凝灰岩・石灰岩・チャートなどの典型的な取り違えを修正する力

まず知る

分類キーは、「はい・いいえ」で特徴を確かめ、候補を少しずつ減らす道具です。最初から色や印象で名前を決めません。

このレッスンでは、次の順序を使います。

  1. 2 mm以上の粒が目立つか
  2. 砂粒が見えるか
  3. 一粒ずつ見分けにくい細粒か
  4. 火山灰や軽石片があるか
  5. 教師管理の薄い塩酸試験で発泡するか
  6. かたさや成分の資料はどうか
  7. 複数の根拠が同じ候補を支えるか
六つの堆積岩を絞り込む分類キー 大きな粒、砂粒、火山灰、薄い塩酸への反応、硬さの順に観察し、れき岩、砂岩、泥岩、凝灰岩、石灰岩、チャートの候補を絞る分岐図。 2 mm以上の粒が目立つ? はいいいえ れき岩候補 砂粒が見える? はいいいえ 砂岩候補 火山灰・軽石片? はいいいえ 凝灰岩候補 薄い塩酸で発泡? はいいいえ 石灰岩候補 泥岩またはチャート候補 最後は硬さ・成分・組織などを追加して確かめる

この分類キーは候補を絞る基本形です。実物には風化や混合があり、途中の一問だけで必ず確定できるとは限りません。

理解する

よい判定には、独立した複数の根拠があります。

たとえば「白い」と「明るい色」は、ほぼ同じ種類の手がかりです。二つ書いても根拠が強くなったとは言えません。一方、「薄い塩酸で発泡する」と「炭酸カルシウムを多く含む」は、観察と成分資料が結びついて石灰岩を強く支えます。

観察されていない特徴を作り足してはいけません。「細粒だから化石があるはず」「灰色だから火山灰を含むはず」は、資料にない予想です。答案では、与えられた事実だけを分類キーへ入れます。

また、候補を一つにできないことも科学的な結果です。細粒で発泡しないだけなら、泥岩とチャートをまだ区別できない場合があります。硬さ、割れ方、成分など、区別に必要な追加観察を示します。

分類キーの順序にも理由があります。粒径はれき岩・砂岩を早く分けられます。火山灰や軽石片は凝灰岩を支えます。塩酸反応は石灰岩を絞る強い手がかりです。最後に硬さや成分で、見た目の似た細粒岩を分けます。

「化石がある」だけで石灰岩やチャートに決めることもできません。砂岩や泥岩にも化石が含まれる場合があります。化石の種類、岩石の成分、反応を合わせます。

使う

次の観察データを分類します。

試料 粒・組織 火山由来の粒 薄い塩酸 硬さ・成分資料
A 3〜12 mmの丸い粒が目立つ なし 発泡なし 粒の間が細粒物で固まる
B 0.2〜1 mmの粒が見える なし 発泡なし 石英粒を含む
C 一粒を見分けにくい なし 発泡なし 比較的やわらかい
D 細粒で軽石片を含む あり 発泡なし 火山灰由来
E 細粒、一部に殻の跡 なし 発泡する 炭酸カルシウムを多く含む
F 細粒 なし 発泡なし 非常にかたく、二酸化ケイ素を多く含む

判定と根拠は次の通りです。

  • A:れき岩。2 mm以上の丸い粒が目立つ。
  • B:砂岩。砂の大きさの粒が見える。
  • C:泥岩候補。一粒を見分けにくく、チャートほどかたいという資料がない。
  • D:凝灰岩。火山灰由来の細粒と軽石片がある。
  • E:石灰岩。薄い塩酸で発泡し、炭酸カルシウムを多く含む。
  • F:チャート。非常にかたく、二酸化ケイ素を多く含み、発泡しない。

Cは観察条件によっては確定とせず、「泥岩候補」とするのが安全です。追加の硬さ・成分資料があれば、チャートなどとの区別が強くなります。

理解チェック1:直接確認

2 mm以上の丸い粒が多数見える標本は、最初に何の候補としますか。根拠も答えてください。

答え:れき岩の候補です。れきに当たる大きさの粒が目立つためです。

理解チェック2:誤解を直す

「標本は白色で明るい色だから、二つの根拠で石灰岩と判定した」という答案の問題点は何ですか。

答え:白色と明るい色は同じ種類の手がかりで、色だけでは石灰岩を決められません。薄い塩酸への反応や成分など、別の根拠が必要です。

理解チェック3:初見へ転用

細粒で発泡しない未知標本を、泥岩かチャートかに絞りました。次にどんな資料が必要ですか。

答え:硬さ、割れ方、二酸化ケイ素などの成分資料を調べます。非常にかたく二酸化ケイ素を多く含めば、チャートを強く支えます。

転用する

観察表から判定するときは、答案を四文にします。

  1. 直接観察した特徴を書く
  2. 分類キーのどの分岐に当たるかを書く
  3. 岩石名または候補を書く
  4. 確定できない場合は、必要な追加観察を書く

一つの特徴で即断せず、「候補を絞る→別の根拠で確かめる」を繰り返します。

次のレッスンでは、分類キーを使っても起きやすい取り違えを直します。特に、火山に関係する凝灰岩を火成岩とする誤り、化石に関係する石灰岩とチャートを同じものとする誤りを、でき方・反応・硬さへ戻して修正します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。