このレッスンは「堆積岩を見分けよう」セクションの4番目です。これまでに、標本を観察し、特徴が生まれるでき方を説明しました。今回は、観察表と分類キーを使い、未知標本の候補を順番に絞ります。
- 前から受け取る力:粒・成分・反応を、堆積岩のでき方と結びつける力
- このレッスンの中心:観察データを分類キーと照合し、複数根拠で岩石名を判定する力
- 次へ渡す力:凝灰岩・石灰岩・チャートなどの典型的な取り違えを修正する力
まず知る
分類キーは、「はい・いいえ」で特徴を確かめ、候補を少しずつ減らす道具です。最初から色や印象で名前を決めません。
このレッスンでは、次の順序を使います。
- 2 mm以上の粒が目立つか
- 砂粒が見えるか
- 一粒ずつ見分けにくい細粒か
- 火山灰や軽石片があるか
- 教師管理の薄い塩酸試験で発泡するか
- かたさや成分の資料はどうか
- 複数の根拠が同じ候補を支えるか
この分類キーは候補を絞る基本形です。実物には風化や混合があり、途中の一問だけで必ず確定できるとは限りません。
理解する
よい判定には、独立した複数の根拠があります。
たとえば「白い」と「明るい色」は、ほぼ同じ種類の手がかりです。二つ書いても根拠が強くなったとは言えません。一方、「薄い塩酸で発泡する」と「炭酸カルシウムを多く含む」は、観察と成分資料が結びついて石灰岩を強く支えます。
観察されていない特徴を作り足してはいけません。「細粒だから化石があるはず」「灰色だから火山灰を含むはず」は、資料にない予想です。答案では、与えられた事実だけを分類キーへ入れます。
また、候補を一つにできないことも科学的な結果です。細粒で発泡しないだけなら、泥岩とチャートをまだ区別できない場合があります。硬さ、割れ方、成分など、区別に必要な追加観察を示します。
分類キーの順序にも理由があります。粒径はれき岩・砂岩を早く分けられます。火山灰や軽石片は凝灰岩を支えます。塩酸反応は石灰岩を絞る強い手がかりです。最後に硬さや成分で、見た目の似た細粒岩を分けます。
「化石がある」だけで石灰岩やチャートに決めることもできません。砂岩や泥岩にも化石が含まれる場合があります。化石の種類、岩石の成分、反応を合わせます。
使う
次の観察データを分類します。
| 試料 | 粒・組織 | 火山由来の粒 | 薄い塩酸 | 硬さ・成分資料 |
|---|---|---|---|---|
| A | 3〜12 mmの丸い粒が目立つ | なし | 発泡なし | 粒の間が細粒物で固まる |
| B | 0.2〜1 mmの粒が見える | なし | 発泡なし | 石英粒を含む |
| C | 一粒を見分けにくい | なし | 発泡なし | 比較的やわらかい |
| D | 細粒で軽石片を含む | あり | 発泡なし | 火山灰由来 |
| E | 細粒、一部に殻の跡 | なし | 発泡する | 炭酸カルシウムを多く含む |
| F | 細粒 | なし | 発泡なし | 非常にかたく、二酸化ケイ素を多く含む |
判定と根拠は次の通りです。
- A:れき岩。2 mm以上の丸い粒が目立つ。
- B:砂岩。砂の大きさの粒が見える。
- C:泥岩候補。一粒を見分けにくく、チャートほどかたいという資料がない。
- D:凝灰岩。火山灰由来の細粒と軽石片がある。
- E:石灰岩。薄い塩酸で発泡し、炭酸カルシウムを多く含む。
- F:チャート。非常にかたく、二酸化ケイ素を多く含み、発泡しない。
Cは観察条件によっては確定とせず、「泥岩候補」とするのが安全です。追加の硬さ・成分資料があれば、チャートなどとの区別が強くなります。
理解チェック1:直接確認
2 mm以上の丸い粒が多数見える標本は、最初に何の候補としますか。根拠も答えてください。
答え:れき岩の候補です。れきに当たる大きさの粒が目立つためです。
理解チェック2:誤解を直す
「標本は白色で明るい色だから、二つの根拠で石灰岩と判定した」という答案の問題点は何ですか。
答え:白色と明るい色は同じ種類の手がかりで、色だけでは石灰岩を決められません。薄い塩酸への反応や成分など、別の根拠が必要です。
理解チェック3:初見へ転用
細粒で発泡しない未知標本を、泥岩かチャートかに絞りました。次にどんな資料が必要ですか。
答え:硬さ、割れ方、二酸化ケイ素などの成分資料を調べます。非常にかたく二酸化ケイ素を多く含めば、チャートを強く支えます。
転用する
観察表から判定するときは、答案を四文にします。
- 直接観察した特徴を書く
- 分類キーのどの分岐に当たるかを書く
- 岩石名または候補を書く
- 確定できない場合は、必要な追加観察を書く
一つの特徴で即断せず、「候補を絞る→別の根拠で確かめる」を繰り返します。
次のレッスンでは、分類キーを使っても起きやすい取り違えを直します。特に、火山に関係する凝灰岩を火成岩とする誤り、化石に関係する石灰岩とチャートを同じものとする誤りを、でき方・反応・硬さへ戻して修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。