岩相・化石・堆積構造から環境史を記述しよう
まず知る
このレッスンは入試総合6レッスンの4番目です。前回作った出来事順序を骨組みにして、各時期の環境を加えます。中心技能は、二種類以上の証拠を結び、環境の変化を時間順の文章へすることです。
| 証拠 | 主に読むもの |
|---|---|
| 粒径・岩相 | 流れの強さ、岸からの距離 |
| 示相化石 | 生物が暮らせる水深・水温・塩分など |
| れん痕・斜交葉理 | 波や流れの向き・強さ |
| 泥割れ | 乾燥、一時的な陸化 |
| 不整合 | 堆積中断、隆起・侵食 |
化石一つ、岩石一つで断定せず、同じ説明を支える証拠を組み合わせます。
理解する
下から礫岩A、海生貝を含む砂岩B、プランクトン化石を含む泥岩C、泥割れのある砂岩D、不整合Xの順に重なる柱状図を考えます。
Aは強い流れ、Bは浅海、Cは静かな沖合を支持するため、この地点では海が深くなる海進候補です。Dの泥割れは乾燥を示し、浅海化から陸化した海退候補になります。Xはその後の侵食と堆積中断を示します。
「海進の原因は海面上昇」とは限りません。土地の沈降でも相対的に海は深くなります。資料に原因がなければ、環境変化までを答えます。
使う
記述答案は、時期ごとに「証拠 → 過程 → 環境」を一文にします。
例:
「はじめは礫を運べる強い流れの川または岸近くだった。次に海生貝を含む砂岩、さらにプランクトン化石を含む泥岩へ変わるため、海が深くなった。その後、泥割れ層ができたので浅くなって陸化し、最後に侵食を受けた。」
答案を確認するときは、各結論に資料中の証拠が対応するか線で結びます。「暖かい」「深さ100 m」など、証拠のない形容や数値を加えません。
よくある誤答は、化石が出た一層だけを説明して、上下の変化を書かないことです。環境史では「何だったか」だけでなく「どう変わったか」が中心です。
転用する
複数地点では、同じ時刻面の横方向分布と、一地点の縦方向変化を分けて考えます。横方向で陸・岸・沖の配置を描き、縦方向で海進・海退を読むと、地域史になります。
化石が壊れ、礫と混ざる場合は再堆積を疑います。その化石だけを環境証拠にせず、粒径や別の化石を重視します。
次は、入試の選択肢を証拠単位に分解し、最初に矛盾する語句を診断します。
確認1:環境史の記述で必要な三段階は?
証拠を示し、その証拠ができる過程を説明し、環境候補と時間変化を結びます。確認2:泥岩から海生化石が一個出ただけで深海と断定できる?
できません。運搬・再堆積、湖など別環境を検討し、保存状態や堆積構造などを合わせます。確認3:礫岩→砂岩・貝→泥岩・プランクトン→泥割れ層の変化は?
陸・岸近くから浅海、沖合へ深くなり、その後浅くなって陸化した海進・海退の候補です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。