LESSON 01

粒の大きさと堆積する場所

流れが弱まる場所と粒の堆積順を説明しよう

流れの強さと運べる粒の大きさを結び、河口から沖へれき・砂・泥の分布が変わる基本モデルを条件つきで説明します。

このレッスンは「粒の大きさと堆積する場所」セクションの3番目です。前のレッスンでは、静かな水の中で大きな粒ほど速く沈みやすいことを、公平な模型実験で確かめました。今回はその結果を、川が海へ流れ込む河口のしくみへつなぎます。

  • 前から受け取る力:粒径だけを変えた沈降実験を組み立て、結果を条件つきで説明する力
  • このレッスンの中心:流れが弱まると、運び続けられない粒から堆積する因果を説明する力
  • 次へ渡す力:河口から沖への粒径分布を、地図やグラフから読む力

まず知る

流水は、れき・砂・泥を運びます。しかし、どの粒まで運べるかは流れの強さによって変わります。

  • 流れが強いとき:大きな粒も動かし、運べる場合がある
  • 流れが弱くなるとき:大きく重い粒を運び続けにくくなる
  • さらに流れが弱くなるとき:砂も堆積しやすくなる
  • 静かな水に近づくとき:細かな泥もゆっくり沈みやすくなる

川が海や湖へ流れ込むと、水の広がる範囲が大きくなり、流れが弱まることがあります。そのため、河口に近い側では比較的大きな粒、沖側では細かな粒が多くなる分布が見られることがあります。

河口で流れが弱まり粒が分かれて堆積する模式図 左から右へ川が海へ流れ込み、河口近くにれき、少し沖に砂、さらに沖に泥が多く堆積する。矢印の太さが沖へ向かって細くなり流れが弱まることを示す。 河口 沖合 れきが多い 砂が多い 泥が多い 流れが広がり、弱まりやすい

この図は「そうなることがある」という基本モデルです。実際には川の流量、河口の形、波、潮流、海流、粒の密度や形で分布が変わります。

理解する

堆積の順を考える鍵は、「どの粒が先に沈むか」だけではありません。「その流れが、どの粒を運び続けられるか」です。

強い流れの中では、れきも川底を転がったり跳ねたりして運ばれることがあります。川が海へ入り流れが弱まると、大きな粒を動かし続ける力が足りなくなり、れきが先にとどまりやすくなります。砂はもう少し先まで運ばれ、泥は水中に長く浮かび、さらに沖へ届く可能性があります。

つまり、基本の因果は次の通りです。

流れが弱まる → 運べる粒の最大の大きさが小さくなる → 運べなくなった粒から堆積する

ここで「大きな粒は重いから絶対に河口、小さな粒は軽いから絶対に沖」と言い切ってはいけません。洪水時は普段より強い流れが大きな粒を遠くまで運ぶことがあります。沖から岸へ向かう強い波が砂を動かすこともあります。粒の分布は、粒径と流れの条件をセットで説明します。

また、同じ地点にれき・砂・泥が混ざることもあります。流れの強さが時間とともに変化したり、別の支流から粒が加わったりするからです。「最も多い粒」と「それ以外の粒が存在しないこと」は同じではありません。

使う

ある河口で、地点A・B・Cを調べました。

地点 河口からの距離 平均流速 最も多い粒
A 0.2 km 0.8 m/s れき
B 2.0 km 0.3 m/s
C 8.0 km 0.05 m/s

説明は、資料の事実としくみをつなぎます。

  1. 資料では、河口から遠ざかるほど平均流速が小さくなっている。
  2. 流れが弱まると、大きな粒を運び続けにくくなる。
  3. そのためAではれきが多く堆積し、砂はB付近まで、泥はC付近まで運ばれたと考えられる。
  4. ただし、三地点・一時期の資料なので、季節や洪水時も同じとは断定できない。

もし大雨直後にBで普段より大きなれきが見つかったなら、「規則が間違い」とすぐ決めません。大雨で一時的に流れが強くなり、大きな粒が普段より遠くまで運ばれたという説明を検討します。大雨前後の流量や粒径分布が追加の証拠になります。

理解チェック1:直接確認

川が海へ入り流れが弱まったとき、一般に大きな粒から堆積しやすいのはなぜですか。

答え:弱くなった流れでは大きな粒を運び続けにくくなり、運べなくなった粒からとどまるためです。

理解チェック2:誤解を直す

「泥は軽いので、どんな川でも必ず最も沖だけにある」という説明の問題点は何ですか。

答え:堆積場所は粒径だけでなく、流量、波、海流、河口の形などでも変わります。また、泥がほかの場所にまったくないとは限りません。

理解チェック3:初見へ転用

洪水後、普段は砂が多い地点でれきが多く見つかりました。どのような仮説を立て、何を確かめますか。

答えの例:洪水で流れが強くなり、普段より大きなれきを運んだという仮説を立てます。洪水前後の流量、同地点の粒径分布、上流の侵食の記録を確かめます。

転用する

堆積場所を説明するときは、次の型を使います。

地点( )では資料から流れが(強い/弱い)と読める。そのため(粒)を運び続けにくくなり、(粒)が多く堆積したと考えられる。

そして最後に、資料の範囲と別の可能性を一つ添えます。

次のレッスンでは、河口から沖へ並ぶ採取地点の地図、粒径組成の帯グラフ、流速の表を対応させます。「図のどの場所」と「グラフのどの棒」がつながるかを確かめ、因果説明を数量的な証拠で支えます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。