未知の地層・化石・年代資料から地域の地球史を復元しよう
まず知る
このレッスンの役割と到達点
このセクションの最後は、未知の柱状図、化石帯、岩相、年代測定を統合し、ある地域の環境と生物の歴史を復元する課題です。時代名を当てるだけでなく、「いつ・どんな環境で・何が起きたか」を証拠付きでつなぎます。
証拠の役割を先に分けます。
| 証拠 | 主に分かること |
|---|---|
| 示準化石・年代測定 | いつ頃か |
| 示相化石・岩相・堆積構造 | どんな環境か |
| 柱状図の上下 | 出来事の前後関係 |
| 不整合・断層・火山灰 | 記録の空白や地質出来事 |
| 化石種類数の変化 | 生物群の転換候補 |
一地点の柱状図は、その地域の記録です。地球全体の歴史へ広げるには、別地域の同時期の証拠が必要です。
理解する
一つの柱状図から地域史を組み立てる
次の架空の柱状図を、下から上へ読みます。
下位の石灰岩には中生代の示準化石アンモナイトと、暖かく浅い海を示すサンゴがあります。地域Pは中生代のある時期、暖かく浅い海だった可能性があります。
その上の火山灰は98±1百万年前なので、この頃に火山噴火の火山灰が降り積もりました。さらに上の砂岩には植物片と恐竜足跡があり、海岸に近い陸上環境へ変化した可能性があります。
波打つ不整合面は、堆積後に隆起・侵食などがあり、記録が一部失われたことを示します。最上部の泥岩にある淡水生物Xは62〜58百万年前なので、不整合の後、新生代に湖や川などの淡水環境で再び堆積したと考えられます。
使う
入試型資料を七手で復元する
- 柱状図の上下と乱れの有無を確認する。
- 示準化石と年代測定を時間軸へ置く。
- 示相化石・岩相・堆積構造から環境を読む。
- 火山灰・不整合・断層などの出来事を拾う。
- 下から上へ、事実だけを順に並べる。
- 各事実へ最も支えられる説明を付ける。
- 別解と資料の限界を最後に書く。
記述例:「地域Pでは中生代に暖かく浅い海で石灰岩が堆積し、約9800万年前に火山灰が積もった。その後、陸または海岸に近い環境へ変わり、不整合をつくる侵食期間を経て、新生代の約6200万〜5800万年前には淡水環境で泥が堆積した。」
この説明は、証拠が示す順序と範囲に限っています。不整合が何年間続いたか、隆起の原因は何かまでは資料だけでは決まりません。
矛盾する化石を点検する
最上部から摩耗したアンモナイト片が一個出ても、最上部を中生代に戻しません。古い地層から削られて再堆積した可能性があるため、保存状態、母岩、ほかの化石を調べます。
転用する
地域史を地球史へ広げる条件
地域Pの不整合や化石変化だけで、世界中で同時に同じ出来事が起きたとは言えません。別大陸・別環境の地層でも同じ年代に化石群集が変わり、共通の火山灰や年代資料があるほど、広域的な変化の説明が強くなります。
次のセクションでは、堆積、噴火、隆起、侵食、断層などの「切る・切られる」「覆う・覆われる」関係を使い、数値年代がなくても大地の出来事を順番に並べます。このレッスンで作った地域史の文を、次は相対年代の証拠で検証します。
確認1:直接確認
示準化石と示相化石は、それぞれ地域史の何を示しますか。示準化石は年代、示相化石は堆積環境の手がかりです。確認2:誤りを見抜く
一地点で化石が急に変わったので、世界的な大量絶滅が起きたと断定できますか。できません。多地点・多環境の同年代資料が必要です。確認3:初見資料へ転用
火山灰80±1百万年前の上に不整合、その上に60〜55百万年前の化石帯があるなら、約79〜61百万年前のどこかを含む記録が欠けている可能性があります。正確な空白期間は追加資料が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。