LESSON 01

化石と地球の歴史

未知の地層・化石・年代資料から地域の地球史を復元しよう

未知の柱状図・化石帯・岩相・年代・不整合を統合し、地域の環境と生物の歴史を限界付きで復元する。

未知の地層・化石・年代資料から地域の地球史を復元しよう

まず知る

このレッスンの役割と到達点

このセクションの最後は、未知の柱状図、化石帯、岩相、年代測定を統合し、ある地域の環境と生物の歴史を復元する課題です。時代名を当てるだけでなく、「いつ・どんな環境で・何が起きたか」を証拠付きでつなぎます。

証拠の役割を先に分けます。

証拠 主に分かること
示準化石・年代測定 いつ頃か
示相化石・岩相・堆積構造 どんな環境か
柱状図の上下 出来事の前後関係
不整合・断層・火山灰 記録の空白や地質出来事
化石種類数の変化 生物群の転換候補

一地点の柱状図は、その地域の記録です。地球全体の歴史へ広げるには、別地域の同時期の証拠が必要です。

理解する

一つの柱状図から地域史を組み立てる

次の架空の柱状図を、下から上へ読みます。

化石・岩相・火山灰年代・不整合から地域の地球史を復元する柱状図下からアンモナイトとサンゴを含む石灰岩、98±1百万年前の火山灰、恐竜足跡を含む砂岩、不整合、62から58百万年前の淡水生物Xを含む泥岩が重なる地域Pの柱状図アンモナイト・サンゴ火山灰 98±1 Ma植物片・恐竜足跡不整合淡水生物X 62〜58 Ma古い新しい証拠から組み立てる地域史1 アンモナイト:中生代の年代手がかり2 サンゴ・石灰岩:暖かく浅い海の候補3 火山灰:98±1百万年前に火山噴火4 植物片・足跡:陸や海岸近くへ環境変化5 不整合:隆起・侵食など記録の空白6 X化石:新生代の淡水環境局地的な環境史は説明できる地球全体の絶滅原因はこの一本では決めない年代・環境・順序・空白を別の証拠から結ぶ

下位の石灰岩には中生代の示準化石アンモナイトと、暖かく浅い海を示すサンゴがあります。地域Pは中生代のある時期、暖かく浅い海だった可能性があります。

その上の火山灰は98±1百万年前なので、この頃に火山噴火の火山灰が降り積もりました。さらに上の砂岩には植物片と恐竜足跡があり、海岸に近い陸上環境へ変化した可能性があります。

波打つ不整合面は、堆積後に隆起・侵食などがあり、記録が一部失われたことを示します。最上部の泥岩にある淡水生物Xは62〜58百万年前なので、不整合の後、新生代に湖や川などの淡水環境で再び堆積したと考えられます。

使う

入試型資料を七手で復元する

  1. 柱状図の上下と乱れの有無を確認する。
  2. 示準化石と年代測定を時間軸へ置く。
  3. 示相化石・岩相・堆積構造から環境を読む。
  4. 火山灰・不整合・断層などの出来事を拾う。
  5. 下から上へ、事実だけを順に並べる。
  6. 各事実へ最も支えられる説明を付ける。
  7. 別解と資料の限界を最後に書く。

記述例:「地域Pでは中生代に暖かく浅い海で石灰岩が堆積し、約9800万年前に火山灰が積もった。その後、陸または海岸に近い環境へ変わり、不整合をつくる侵食期間を経て、新生代の約6200万〜5800万年前には淡水環境で泥が堆積した。」

この説明は、証拠が示す順序と範囲に限っています。不整合が何年間続いたか、隆起の原因は何かまでは資料だけでは決まりません。

矛盾する化石を点検する

最上部から摩耗したアンモナイト片が一個出ても、最上部を中生代に戻しません。古い地層から削られて再堆積した可能性があるため、保存状態、母岩、ほかの化石を調べます。

転用する

地域史を地球史へ広げる条件

地域Pの不整合や化石変化だけで、世界中で同時に同じ出来事が起きたとは言えません。別大陸・別環境の地層でも同じ年代に化石群集が変わり、共通の火山灰や年代資料があるほど、広域的な変化の説明が強くなります。

次のセクションでは、堆積、噴火、隆起、侵食、断層などの「切る・切られる」「覆う・覆われる」関係を使い、数値年代がなくても大地の出来事を順番に並べます。このレッスンで作った地域史の文を、次は相対年代の証拠で検証します。

確認1:直接確認示準化石と示相化石は、それぞれ地域史の何を示しますか。示準化石は年代、示相化石は堆積環境の手がかりです。
確認2:誤りを見抜く一地点で化石が急に変わったので、世界的な大量絶滅が起きたと断定できますか。できません。多地点・多環境の同年代資料が必要です。
確認3:初見資料へ転用火山灰80±1百万年前の上に不整合、その上に60〜55百万年前の化石帯があるなら、約79〜61百万年前のどこかを含む記録が欠けている可能性があります。正確な空白期間は追加資料が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。