反応表から未知の消化液を見分けよう
このレッスンの役割
このレッスンは「消化器官と消化液」6レッスンの4番目です。前回までに、消化液と栄養分の対応を学びました。今回は、答えを思い出すだけでなく、実験の反応表を証拠にして未知の消化液を推定します。
目標は、「変化した組み合わせ」と「変化しなかった組み合わせ」の両方を使い、言えることと言い切れないことを区別することです。
知る・理解する
未知の液Xをデンプン・タンパク質・脂肪へそれぞれ加え、体温に近い温度で十分な時間置いたとします。
| 試験管 | 入れた栄養分 | 結果 |
|---|---|---|
| A | デンプン | 分解された |
| B | タンパク質 | 分解された |
| C | 脂肪 | 分解された |
三つ全てを分解したなら、Xは複数の消化酵素を含むすい液の可能性が高いと考えられます。ただし、複数の消化液を混ぜた液でも同じ結果になるかもしれません。資料に「一種類の消化液」とあるかを確認してから断定します。
正しい推論には対照実験も必要です。栄養分と水だけの試験管で変化が起きないことを確かめれば、変化が自然に起きたのではなく、Xの働きによると判断しやすくなります。
具体例で使う
別の結果を考えます。液Yはデンプンだけを分解し、タンパク質と脂肪は分解しませんでした。候補が「だ液・胃液・すい液」の三つなら、Yはだ液と判断できます。胃液ならタンパク質、すい液なら三種類に働くはずだからです。
ただし、デンプンが分解されなかったからといって、すぐに「デンプンを分解する酵素がない」とは言い切れません。温度が高すぎた、反応時間が短かった、強い酸性だったなど、酵素が働けない条件だった可能性があります。同じ条件で既知のだ液を使う比較があると、判断が強くなります。
記述では、「結果→既知の性質→結論」の順に書きます。例:「Yはデンプンだけを分解した。候補のうちデンプンだけへ働くのはだ液なので、Yはだ液と考えられる。」
誤答を直して次の学びへつなげる
「一つ陽性なら液を特定できる」とは限りません。デンプンが分解された場合、だ液もすい液も候補です。他の栄養分の結果で絞ります。
「変化なし=その酵素を含まない」と断定するのも早すぎます。対照、温度、時間、液性などを確認し、実験が正しく機能したかを確かめます。この条件の考え方は、次のセクション「酵素が働く条件」へつながります。
次のレッスンでは、反応表で特に混同しやすい胆汁・消化液・消化酵素の違いを整理します。
自分で確かめよう
確認1:液Xが三大栄養分を全て分解した。候補が一種類の消化液だけなら何?
すい液です。すい液には三大栄養分へ働く複数の消化酵素が含まれます。確認2:デンプンだけが分解されたとき、なぜ一つの結果だけでだ液と断定しにくい?
すい液もデンプンを分解できるからです。タンパク質や脂肪への結果も使って候補を絞ります。確認3:全て変化しなかったときに確認すべきことは?
水だけの対照に加え、温度、反応時間、液性、既知の酵素を使った比較など、酵素が働ける条件だったかを確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。