柔毛のつくりを観察図から読み取ろう
このレッスンの役割
このレッスンは「小腸での吸収と柔毛」6レッスンの2番目です。前回は、吸収を小腸壁の内側から血液やリンパへの移動として捉えました。今回は、小腸壁の拡大図を段階的に読み、柔毛の外形と内部の管を区別します。
目標は、一枚の模式図の中で「小腸全体→内側のひだ→一本の柔毛→柔毛内部」の階層を見失わないことです。
知る・理解する
小腸の内側にはひだがあり、その表面には小さな突起である柔毛が多数あります。一本の柔毛の表面は薄い細胞の層でおおわれ、そのすぐ内側に網目状の毛細血管と、中央付近を通るリンパ管があります。
観察図は倍率によって見えるものが違います。
| 観察段階 | 主に見えるもの | 確認すること |
|---|---|---|
| 小腸の断面 | 管と内側のひだ | 内側と外側の向き |
| ひだの拡大 | 多数の柔毛 | 一本ではなく密集していること |
| 柔毛の拡大 | 毛細血管とリンパ管 | 網目状と中央の管の違い |
毛細血管は一本の太い管ではなく、柔毛表面近くに広がる細かな網として描かれます。リンパ管は中央側に一本の太めの管として描かれることが多いですが、色だけで判断せず、つながりと位置を見ます。
具体例で使う
未知の図で、突起の表面近くに赤い網目状の管A、中央に青い一本の管Bがあるとします。一般的な模式図では、Aを毛細血管、Bをリンパ管と考えます。しかし答案では色だけを根拠にせず、「表面近くに網目状に分布する」「中央を通る」という構造も書きます。
顕微鏡写真では、柔毛が斜めや横向きに切られ、指のような形に見えないことがあります。切断面が円形でも、連続する標本や位置から柔毛の一部だと判断します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「小腸には大きな柔毛が一本ある」は、拡大段階の混同です。実際には小腸の内側全体に多数の柔毛があります。多数あることが、次に学ぶ表面積の増加へつながります。
「中央の管だから動脈」という判断もできません。柔毛中央の管はリンパ管として描かれることが多く、毛細血管はその周囲に網目状に広がります。
次は、ひだと多数の柔毛が、なぜ吸収を効率よくするのかを表面積・壁の薄さ・運搬の三点で説明します。
自分で確かめよう
確認1:小腸の内側を拡大すると、どんな順で構造が見える?
小腸内側のひだ、その表面の多数の柔毛、一本の柔毛内部の毛細血管とリンパ管という順です。確認2:毛細血管とリンパ管を色以外でどう区別する?
毛細血管は柔毛表面近くに網目状に分布し、リンパ管は中央付近を通る管として読みます。確認3:写真で柔毛が円形に見えることがあるのはなぜ?
柔毛が横や斜めに切られ、切断面を見ている可能性があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。