器官が物質をつくるという混同を直そう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、運動時のデータを細胞の需要と物質輸送へ結びました。今回は、器官の役割を動詞で区別し、「肺が酸素をつくる」「血液がエネルギーをつくる」といった誤解を修正します。
目標は、消化・吸収・気体交換・運搬・細胞呼吸・排出のどこで何が起きるかを正しい動作で言えることです。
知る・理解する
似た言葉を次のように分けます。
| 動作 | 起こること | 主な場所 |
|---|---|---|
| 消化 | 大きな栄養分を吸収できる形へ分解 | 口・胃・小腸など |
| 吸収 | 消化管の壁を通って血液などへ移る | 主に小腸 |
| 気体交換 | O₂とCO₂が肺胞と血液の間を移る | 肺 |
| 運搬 | 血液が物質を各部へ運ぶ | 血管・心臓 |
| 細胞の呼吸 | 養分とO₂から使えるエネルギーを取り出す | 全身の生きた細胞 |
| 排出 | 血液中の不要物を尿などとして体外へ出す | 腎臓など |
器官は「目的のために意識して働く」のではありません。構造と仕組みによって物質が移動し、その結果として全身の細胞が生きられます。
具体例で使う
誤答「肺が酸素をつくり、血液がエネルギーにして筋肉へ運ぶ」を直します。
肺は吸い込んだ空気から酸素を血液へ取り込みます。血液は酸素と栄養分を筋肉細胞へ運びます。筋肉細胞がそれらを使う呼吸によって、活動に使えるエネルギーを取り出します。物質の出所・運搬・利用を分けると、どこを直すべきか明確になります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「消化されたから吸収された」も同じ種類の混同です。消化は分解、吸収は壁を通る移動です。消化されても、まだ消化管内にあれば吸収前です。
「不要物は血液の中で消える」も誤りです。血液が腎臓などへ運び、体外へ排出されます。次は、標識をつけた物質がいつどこで見つかるかという未知資料から、経路を逆に復元します。
自分で確かめよう
確認1:肺は酸素をつくる?
つくりません。吸い込んだ空気中の酸素を血液へ取り込む気体交換を行います。確認2:エネルギーを取り出す主な場所は?
全身の生きた細胞です。細胞の呼吸で取り出します。確認3:消化と吸収を動詞で言い分けよう。
消化は分解する、吸収は消化管の壁を通って血液などへ移る、です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。