だ液実験を一条件だけ変えて比べよう
このレッスンの役割
このレッスンは「酵素が働く条件」6レッスンの2番目です。前回は、同じ酵素でも条件によって働き方が変わると予想しました。今回は、温度の影響だけを公平に確かめる実験を組み立てます。
目標は、変える条件を温度だけにし、それ以外をそろえることです。さらに、ヨウ素液とベネジクト液の結果を組み合わせ、デンプンが減ったことと糖ができたことを別々に確かめます。
知る・理解する
試験管A・B・Cへ、同じ濃度・同じ量のデンプン液とだ液を入れます。Aは0℃付近、Bは37℃付近、Cは80℃付近に10分置くとします。温度以外の、だ液量、デンプン量、時間、混ぜ方をそろえます。
さらに、だ液の代わりに水を加えたDを37℃に置きます。Dは「だ液がなくても変化したのではないか」を確かめる対照です。
反応後の液は二つに分けます。一方へヨウ素液を加え、青紫色になるかを見ます。もう一方へベネジクト液を加え、加熱して色の変化や沈殿を見ます。同じ試験管へ二つの試薬を続けて入れるのではなく、液を分けて検査します。
具体例で使う
結果が、Bではヨウ素液で青紫色にならず、ベネジクト液で赤褐色の沈殿が生じたとします。デンプンが減り、糖ができたという二つの証拠がそろうので、37℃付近でだ液によるデンプンの分解が進んだと判断できます。
Aでヨウ素液が青紫色になり、ベネジクト液の変化が弱ければ、低温では10分間に反応があまり進まなかったと考えられます。Cでも反応しなかった場合、80℃では酵素が働きにくいか、高温で働きを失った可能性があります。温度を戻す追加実験で区別します。
Dが青紫色になったままで糖も検出されなければ、温度や水だけではデンプンが分解されにくく、Bの変化にはだ液が必要だったと説明できます。
誤答を直して次の学びへつなげる
Aは0℃で10分、Bは37℃で20分にすると、温度と時間を同時に変えています。結果が違っても、どちらの条件が原因か分かりません。「一度に変える条件は一つ」が比較実験の中心です。
ヨウ素液で青紫色にならなかっただけでは、デンプンが何へ変わったかまでは分かりません。ベネジクト液で糖の生成も確かめると、消化の説明が強くなります。
次は、低温・適温・高温の違いと、胃や小腸で液性が違う意味を模型で説明します。
自分で確かめよう
確認1:温度の影響を調べるとき、そろえる条件は?
だ液とデンプン液の量・濃度、反応時間、混ぜ方などをそろえ、温度だけを変えます。確認2:だ液の代わりに水を入れる対照は何を確かめる?
だ液がなくても、温度や水だけでデンプンが変化したのではないことを確かめます。確認3:なぜ反応後の液を二つに分ける?
ヨウ素液で残ったデンプン、ベネジクト液でできた糖を別々に検出するためです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。