LESSON 01

酵素が働く条件

だ液実験を一条件だけ変えて比べよう

「酵素が働く条件」第2段階。温度だけを変える対照実験と二つの検出反応を設計します。

だ液実験を一条件だけ変えて比べよう

このレッスンの役割

このレッスンは「酵素が働く条件」6レッスンの2番目です。前回は、同じ酵素でも条件によって働き方が変わると予想しました。今回は、温度の影響だけを公平に確かめる実験を組み立てます。

目標は、変える条件を温度だけにし、それ以外をそろえることです。さらに、ヨウ素液とベネジクト液の結果を組み合わせ、デンプンが減ったことと糖ができたことを別々に確かめます。

知る・理解する

試験管A・B・Cへ、同じ濃度・同じ量のデンプン液とだ液を入れます。Aは0℃付近、Bは37℃付近、Cは80℃付近に10分置くとします。温度以外の、だ液量、デンプン量、時間、混ぜ方をそろえます。

さらに、だ液の代わりに水を加えたDを37℃に置きます。Dは「だ液がなくても変化したのではないか」を確かめる対照です。

反応後の液は二つに分けます。一方へヨウ素液を加え、青紫色になるかを見ます。もう一方へベネジクト液を加え、加熱して色の変化や沈殿を見ます。同じ試験管へ二つの試薬を続けて入れるのではなく、液を分けて検査します。

温度だけを変えるだ液とデンプンの対照実験 同量のデンプン液とだ液を0度、37度、80度に置き、だ液の代わりに水を加えた対照も用意し、反応後に液を分けてヨウ素液とベネジクト液で調べる。 変えるのは温度だけ A:0℃付近だ液+デンプン B:37℃付近だ液+デンプン C:80℃付近だ液+デンプン D:37℃対照水+デンプンだ液なし 反応後は各液を二つに分ける ヨウ素液残ったデンプンを調べる ベネジクト液+加熱できた糖を調べる 温度以外の量・濃度・時間・混ぜ方は同じにする

具体例で使う

結果が、Bではヨウ素液で青紫色にならず、ベネジクト液で赤褐色の沈殿が生じたとします。デンプンが減り、糖ができたという二つの証拠がそろうので、37℃付近でだ液によるデンプンの分解が進んだと判断できます。

Aでヨウ素液が青紫色になり、ベネジクト液の変化が弱ければ、低温では10分間に反応があまり進まなかったと考えられます。Cでも反応しなかった場合、80℃では酵素が働きにくいか、高温で働きを失った可能性があります。温度を戻す追加実験で区別します。

Dが青紫色になったままで糖も検出されなければ、温度や水だけではデンプンが分解されにくく、Bの変化にはだ液が必要だったと説明できます。

誤答を直して次の学びへつなげる

Aは0℃で10分、Bは37℃で20分にすると、温度と時間を同時に変えています。結果が違っても、どちらの条件が原因か分かりません。「一度に変える条件は一つ」が比較実験の中心です。

ヨウ素液で青紫色にならなかっただけでは、デンプンが何へ変わったかまでは分かりません。ベネジクト液で糖の生成も確かめると、消化の説明が強くなります。

次は、低温・適温・高温の違いと、胃や小腸で液性が違う意味を模型で説明します。

自分で確かめよう

確認1:温度の影響を調べるとき、そろえる条件は?だ液とデンプン液の量・濃度、反応時間、混ぜ方などをそろえ、温度だけを変えます。
確認2:だ液の代わりに水を入れる対照は何を確かめる?だ液がなくても、温度や水だけでデンプンが変化したのではないことを確かめます。
確認3:なぜ反応後の液を二つに分ける?ヨウ素液で残ったデンプン、ベネジクト液でできた糖を別々に検出するためです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。