LESSON 01

光合成・呼吸・蒸散を統合する

見かけの出入りと実際の反応の混同を直そう

「光合成・呼吸・蒸散を統合する」第5段階。正味変化と内部反応、水の吸収・利用・放出の混同を直します。

見かけの出入りと実際の反応の混同を直そう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、水と気体のデータを三つの働きへ対応させました。今回は、入試で起こりやすい「外から見える正味変化」と「植物内部の反応」の混同を修正します。

目標は、測定値が0でも反応が0とは限らないこと、水の吸収・運搬・利用・放出が同じ意味ではないことを説明することです。

知る・理解する

植物の外で観察する値は、入口と出口を合わせた結果です。浴槽の水位が変わらなくても、蛇口から入る量と排水口から出る量が等しければ、水は動いています。同じように、CO₂濃度が変わらなくても、光合成の吸収と呼吸の放出がつり合っている場合があります。

水も段階を分けます。

  1. 根毛が土から水を吸収する。
  2. 道管が水を葉まで運ぶ。
  3. 一部は光合成や細胞の働きに使われる。
  4. 多くは気孔などから水蒸気として出る。

したがって、吸収した水がすべて光合成に使われるわけでも、蒸散した水が光合成で新しくできたわけでもありません。

内部の二つの流れと外から見える正味変化光合成の二酸化炭素吸収と呼吸の放出が等しいと外の濃度は変わらないが両反応は進んでいる植物の内部CO₂ 4光合成が吸収CO₂ 4呼吸が放出両方が同時進行外の変化 4−4=0正味0 ≠ 反応0

具体例で使う

「明るい容器でO₂濃度が変わらなかった」という結果だけなら、少なくとも二つの可能性があります。光合成も呼吸もほとんど行われなかった場合と、光合成のO₂放出量と呼吸のO₂消費量が等しかった場合です。

暗所の結果、植物なしの対照、時間を変えた結果などを組み合わせれば、どちらが妥当かを絞れます。一つの測定値だけで内部のすべてを断定しないことが、科学的な説明です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「植物は昼にO₂を出すから、昼はO₂を使わない」は誤りです。正味では出していても、呼吸では同時にO₂を使います。

「根が吸った水は全部、光合成の材料になる」も誤りです。多くは蒸散で出ます。次は未知の装置やグラフでも、条件・測定値・正味収支を整理して解く方法へ進みます。

自分で確かめよう

確認1:CO₂変化が0なら光合成も呼吸も0?限りません。光合成の吸収量と呼吸の放出量が等しく、正味0になった可能性があります。
確認2:根から吸収した水の主な行き先を二つ挙げよう。一部は光合成や細胞の働きに使われ、多くは葉まで運ばれて蒸散により出ます。
確認3:正味変化から内部を考えるには何を確認する?同時に起こる反対向きの働き、明暗などの条件、対照、測定時間を確認します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。