見かけの出入りと実際の反応の混同を直そう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、水と気体のデータを三つの働きへ対応させました。今回は、入試で起こりやすい「外から見える正味変化」と「植物内部の反応」の混同を修正します。
目標は、測定値が0でも反応が0とは限らないこと、水の吸収・運搬・利用・放出が同じ意味ではないことを説明することです。
知る・理解する
植物の外で観察する値は、入口と出口を合わせた結果です。浴槽の水位が変わらなくても、蛇口から入る量と排水口から出る量が等しければ、水は動いています。同じように、CO₂濃度が変わらなくても、光合成の吸収と呼吸の放出がつり合っている場合があります。
水も段階を分けます。
- 根毛が土から水を吸収する。
- 道管が水を葉まで運ぶ。
- 一部は光合成や細胞の働きに使われる。
- 多くは気孔などから水蒸気として出る。
したがって、吸収した水がすべて光合成に使われるわけでも、蒸散した水が光合成で新しくできたわけでもありません。
具体例で使う
「明るい容器でO₂濃度が変わらなかった」という結果だけなら、少なくとも二つの可能性があります。光合成も呼吸もほとんど行われなかった場合と、光合成のO₂放出量と呼吸のO₂消費量が等しかった場合です。
暗所の結果、植物なしの対照、時間を変えた結果などを組み合わせれば、どちらが妥当かを絞れます。一つの測定値だけで内部のすべてを断定しないことが、科学的な説明です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「植物は昼にO₂を出すから、昼はO₂を使わない」は誤りです。正味では出していても、呼吸では同時にO₂を使います。
「根が吸った水は全部、光合成の材料になる」も誤りです。多くは蒸散で出ます。次は未知の装置やグラフでも、条件・測定値・正味収支を整理して解く方法へ進みます。
自分で確かめよう
確認1:CO₂変化が0なら光合成も呼吸も0?
限りません。光合成の吸収量と呼吸の放出量が等しく、正味0になった可能性があります。確認2:根から吸収した水の主な行き先を二つ挙げよう。
一部は光合成や細胞の働きに使われ、多くは葉まで運ばれて蒸散により出ます。確認3:正味変化から内部を考えるには何を確認する?
同時に起こる反対向きの働き、明暗などの条件、対照、測定時間を確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。