LESSON 01

蒸散量を変える条件

未知の環境条件から蒸散量の変化を説明しよう

「蒸散量を変える条件」第6段階。複数条件を分解し、予想・理由・限界を含む入試記述を作ります。

未知の環境条件から蒸散量の変化を説明しよう

このレッスンの役割

このセクションでは、気孔という通り道、葉の内外の水蒸気量の差、公平な比較を順に学びました。最後は、複数の環境条件が示された初見資料へ使います。

目標は、条件を一つずつ分解し、蒸散量の予想、理由、資料だけでは決められない点まで書くことです。

知る・理解する

初見問題では、すぐに「増える・減る」を決めず、次の順に整理します。

  1. 何を測ったかと単位を確認する。
  2. 光・温度・湿度・風・葉面積のうち、どれが違うかを探す。
  3. 各条件を、気孔の開き方または葉の内外の水蒸気量の差へ結ぶ。
  4. 条件が一つだけ違う組を優先して比較する。
  5. 植物の水不足、個体差、装置からの蒸発などの限界を確かめる。

複数条件の資料を分解して蒸散量を説明する手順資料から条件を分け、仕組みと結び、予想と限界を書く条件を分ける光・温度・湿度・風仕組みと結ぶ気孔・水蒸気の差予想を書く限界を示す断定しない

具体例で使う

温室Aは25℃・湿度40%・弱風、温室Bは25℃・湿度80%・弱風でした。葉面積と光が同じで、Aの水の減少量が大きかったなら、「AはBより外気の湿度が低く、葉の内外の水蒸気量の差が大きいため、蒸散量が多かった」と書けます。

温室Cが30℃・湿度40%・強風なら、Aとの違いは温度と風の二つです。Cの蒸散量が多くても、どちらの影響かは分けられません。「温度または風、あるいは両方が関係した可能性がある」とし、片方だけを変える追加実験を提案します。

誤答を直して次の学びへつなげる

条件の矢印を足し算して「高温+強風だから必ず最大」とするのは危険です。植物が水不足になれば気孔が閉じ、予想と逆の結果になる場合があります。資料中の測定値を優先します。

記述は「条件→仕組み→結果」の順にします。例えば「湿度が低い→葉の内外の水蒸気量の差が大きい→蒸散量が増える」です。この因果の書き方は、次の光合成実験でも「条件→必要なもの→結果」を考える土台になります。

自分で確かめよう

確認1:温度と風が同時に違う二群で差が出た。原因を一つに決められる?決められません。温度か風か両方かを分けるには、片方だけを変える追加比較が必要です。
確認2:湿度が低いと蒸散量が増える因果を三段階で書こう。外気の湿度が低い→葉の内外の水蒸気量の差が大きい→水蒸気が外へ出やすくなり蒸散量が増える、です。
確認3:基本傾向と反対の結果が出たらどうする?データを否定せず、水不足による気孔の閉鎖、ほかの条件、個体差、測定誤差を調べます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。