蒸散量を変える条件を一つずつ予想しよう
このレッスンの役割
前のセクションでは、葉の水が水蒸気となって主に気孔から出ることを学びました。このセクションでは、同じ植物でも蒸散量が変わる理由を考えます。
最初の目標は、光・温度・湿度・風について増減の向きを覚えるだけでなく、「葉の内外の水蒸気の差」と「気孔の開き方」を使って予想することです。
知る・理解する
水蒸気は、葉の内部に多く外気に少ないほど外へ移動しやすくなります。また、気孔が開いているほど通り道が広くなります。この二つを土台にすると、基本的な傾向を説明できます。
| 条件の変化 | 蒸散量の基本傾向 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 光が強くなる | 増える | 多くの植物で気孔が開きやすい |
| 温度が高くなる | 増える | 水が水蒸気になりやすい |
| 湿度が高くなる | 減る | 葉の内外の水蒸気量の差が小さくなる |
| 風が強くなる | 増える | 葉の近くの湿った空気が運び去られる |
これは、ほかの条件が同じ範囲での基本傾向です。極端な高温や水不足では、植物が気孔を閉じるため、温度が高くても蒸散量が減る場合があります。
具体例で使う
同じ大きさの葉をもつ枝を、明るく乾いた場所Aと、暗く湿った場所Bへ置いたとします。温度と風が同じなら、Aは光で気孔が開きやすく、外気が乾いているため、Bより蒸散量が多いと予想できます。
ただし、AとBでは光と湿度の二つが違います。この比較だけでは、どちらの条件がどれだけ効いたかを分けられません。原因を確かめる実験では、変える条件を一つにします。
誤答を直して次の学びへつなげる
「湿度が高いと空気に水が多いから、葉からも水が多く出る」は逆です。外気にすでに水蒸気が多いと、葉の内外の差が小さくなり、外へ出にくくなります。
「風が葉の水を押し出す」わけでもありません。風は葉の表面付近にたまった湿った空気を運び去り、葉の内外の差を保ちます。次は気孔の多い面をふさぐ実験で、通り道の影響を確かめます。
自分で確かめよう
確認1:湿度が高いと蒸散量が減る基本理由は?
葉の内部と外気の水蒸気量の差が小さくなり、水蒸気が外へ移動しにくくなるからです。確認2:風が強いと蒸散量が増える基本理由は?
葉の周囲の湿った空気が運び去られ、葉の内外の水蒸気量の差が保たれるからです。確認3:明るく高温な場所で蒸散量が多かった。この結果だけで光が原因と言える?
言えません。光と温度の二条件が違うため、片方だけを変える比較が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。