LESSON 01

蒸散量を変える条件

風と湿度が蒸散量を変える理由を説明しよう

「蒸散量を変える条件」第3段階。葉の周囲の水蒸気から、風と湿度の影響を説明します。

風と湿度が蒸散量を変える理由を説明しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、気孔をふさぐと蒸散量が減ることを実験から確かめました。今回は、気孔の外側にある空気へ目を向けます。

目標は、「風が強いと増える」「湿度が高いと減る」を暗記ではなく、葉の近くの水蒸気の動きとして説明することです。

知る・理解する

気孔から出た水蒸気は、すぐに遠くへ消えるわけではありません。風が弱いと葉の表面近くに湿った空気がたまり、葉の内部との水蒸気量の差が小さくなります。そのため、次の水蒸気が出にくくなります。

風があると、この湿った空気が運び去られ、より乾いた空気と入れ替わります。葉の内外の差が保たれるため、蒸散は進みやすくなります。一方、周囲の湿度が高い日は、初めから外気にも水蒸気が多く、差が小さいため蒸散は少なくなります。

無風時と風があるときの葉の周囲の水蒸気無風では葉の周りに水蒸気がたまり、風があると運び去られて乾いた空気に入れ替わる無風:湿った空気がたまる風あり:湿った空気を運ぶ

具体例で使う

同じ温度・同じ明るさで、湿度40%と80%を比べたところ、1時間の水の減少量がそれぞれ6.0 mLと2.5 mLでした。湿度40%の方が、葉の内外の水蒸気量の差が大きいため、蒸散量が多いと説明できます。

別の実験で扇風機の弱風を当てると6.0 mL、無風では3.5 mLだったなら、風が湿った空気を運び去ったことが候補になります。ただし、扇風機で温度まで下がっていないかを測る必要があります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「風が水を気孔から押し出す」は誤りです。風向きがどちらでも、葉の近くの湿った空気を入れ替えることが中心です。

また「乾燥すればするほど、いつまでも蒸散が増える」とは限りません。植物が水不足になると気孔を閉じ、蒸散を抑えることがあります。基本傾向には、植物の状態という条件があります。次は光と温度のデータを読み、単純な比例との違いを確かめます。

自分で確かめよう

確認1:無風で蒸散が少なくなる仕組みは?葉の表面近くに湿った空気がたまり、葉の内部との水蒸気量の差が小さくなるからです。
確認2:風を当てる実験で温度も測るのはなぜ?風以外に温度まで変わると、蒸散量の差が風だけによるものか判断できないからです。
確認3:乾燥した場所なら蒸散は必ず増え続ける?必ずではありません。水不足で気孔が閉じると、乾燥していても蒸散が抑えられる場合があります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。