風と湿度が蒸散量を変える理由を説明しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、気孔をふさぐと蒸散量が減ることを実験から確かめました。今回は、気孔の外側にある空気へ目を向けます。
目標は、「風が強いと増える」「湿度が高いと減る」を暗記ではなく、葉の近くの水蒸気の動きとして説明することです。
知る・理解する
気孔から出た水蒸気は、すぐに遠くへ消えるわけではありません。風が弱いと葉の表面近くに湿った空気がたまり、葉の内部との水蒸気量の差が小さくなります。そのため、次の水蒸気が出にくくなります。
風があると、この湿った空気が運び去られ、より乾いた空気と入れ替わります。葉の内外の差が保たれるため、蒸散は進みやすくなります。一方、周囲の湿度が高い日は、初めから外気にも水蒸気が多く、差が小さいため蒸散は少なくなります。
具体例で使う
同じ温度・同じ明るさで、湿度40%と80%を比べたところ、1時間の水の減少量がそれぞれ6.0 mLと2.5 mLでした。湿度40%の方が、葉の内外の水蒸気量の差が大きいため、蒸散量が多いと説明できます。
別の実験で扇風機の弱風を当てると6.0 mL、無風では3.5 mLだったなら、風が湿った空気を運び去ったことが候補になります。ただし、扇風機で温度まで下がっていないかを測る必要があります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「風が水を気孔から押し出す」は誤りです。風向きがどちらでも、葉の近くの湿った空気を入れ替えることが中心です。
また「乾燥すればするほど、いつまでも蒸散が増える」とは限りません。植物が水不足になると気孔を閉じ、蒸散を抑えることがあります。基本傾向には、植物の状態という条件があります。次は光と温度のデータを読み、単純な比例との違いを確かめます。
自分で確かめよう
確認1:無風で蒸散が少なくなる仕組みは?
葉の表面近くに湿った空気がたまり、葉の内部との水蒸気量の差が小さくなるからです。確認2:風を当てる実験で温度も測るのはなぜ?
風以外に温度まで変わると、蒸散量の差が風だけによるものか判断できないからです。確認3:乾燥した場所なら蒸散は必ず増え続ける?
必ずではありません。水不足で気孔が閉じると、乾燥していても蒸散が抑えられる場合があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。