昼夜と環境で変わる植物の収支を読み直そう
このレッスンの役割
ここまで、水・無機養分・気体・糖を別々に追いました。今回は、光、湿度、風、昼夜が変わると各過程がどう変わり、植物全体として何が出入りするかを予測します。
過程が「ある・ない」と、測定した正味の量が「増える・減る」を混同しないことが目標です。
知る・理解する
植物では複数の過程が同時に進みます。測定値は、それらを差し引いた正味の結果です。
| 条件 | 光合成 | 呼吸 | 蒸散の傾向 |
|---|---|---|---|
| 明るい昼 | 行う | 行う | 気孔が開けば進む |
| 夜 | 行わない | 行う | 条件により続く |
| 乾燥・強風 | 水を失いやすい | 行う | 大きくなりやすい |
| 湿度が高い | 光があれば行う | 行う | 小さくなりやすい |
光が強くなっても、光合成量がいつまでも同じ割合で増えるとは限りません。二酸化炭素濃度や温度など別の条件が不足すると、増加が頭打ちになります。
具体例で使う
同じ植物を、明るい場所と暗い場所へ同じ時間置き、二酸化炭素濃度を測ったとします。明所で濃度が下がり、暗所で上がったなら、明所では光合成による消費が呼吸による放出を上回り、暗所では呼吸による放出だけが測定されたと説明できます。
風を強くしたとき水の減少量が増えた資料なら、風が葉の周囲の水蒸気を運び去り、蒸散が進みやすくなった可能性を考えます。ただし、温度や葉の枚数がそろっているかを確認します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「二酸化炭素が減ったから呼吸していない」は、正味と過程の混同です。呼吸で放出していても、光合成の消費量がそれより大きければ全体では減ります。
「夜は気孔が閉じるので蒸散は完全にゼロ」とも断定できません。植物の種類や環境条件により異なり、測定値が小さくても過程が全くないとは限りません。資料の範囲で結論を調整します。
自分で確かめよう
確認1:昼に酸素が増えたら、呼吸は止まっている?
止まっていません。光合成による酸素の放出が、呼吸による消費を上回った正味の結果です。確認2:湿度が高いと蒸散が小さくなりやすい理由は?
葉の内外の水蒸気量の差が小さくなり、水蒸気が外へ移動しにくくなるためです。確認3:条件変更を予測するとき、何をそろえる?
変える一条件以外の光、温度、葉の枚数、時間などをそろえます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。