LESSON 01

植物の体を流れで捉えよう

昼夜と環境で変わる植物の収支を読み直そう

「植物の体を流れで捉えよう」第5段階。過程の有無と、外から測る正味の変化を区別します。

昼夜と環境で変わる植物の収支を読み直そう

このレッスンの役割

ここまで、水・無機養分・気体・糖を別々に追いました。今回は、光、湿度、風、昼夜が変わると各過程がどう変わり、植物全体として何が出入りするかを予測します。

過程が「ある・ない」と、測定した正味の量が「増える・減る」を混同しないことが目標です。

知る・理解する

植物では複数の過程が同時に進みます。測定値は、それらを差し引いた正味の結果です。

条件 光合成 呼吸 蒸散の傾向
明るい昼 行う 行う 気孔が開けば進む
行わない 行う 条件により続く
乾燥・強風 水を失いやすい 行う 大きくなりやすい
湿度が高い 光があれば行う 行う 小さくなりやすい

光が強くなっても、光合成量がいつまでも同じ割合で増えるとは限りません。二酸化炭素濃度や温度など別の条件が不足すると、増加が頭打ちになります。

複数の過程と正味の測定値の関係光合成、呼吸、蒸散が条件により変化し、外から測る正味の気体や水の変化になる光合成呼吸蒸散外から測る正味の変化各過程を差し引いた結果

具体例で使う

同じ植物を、明るい場所と暗い場所へ同じ時間置き、二酸化炭素濃度を測ったとします。明所で濃度が下がり、暗所で上がったなら、明所では光合成による消費が呼吸による放出を上回り、暗所では呼吸による放出だけが測定されたと説明できます。

風を強くしたとき水の減少量が増えた資料なら、風が葉の周囲の水蒸気を運び去り、蒸散が進みやすくなった可能性を考えます。ただし、温度や葉の枚数がそろっているかを確認します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「二酸化炭素が減ったから呼吸していない」は、正味と過程の混同です。呼吸で放出していても、光合成の消費量がそれより大きければ全体では減ります。

「夜は気孔が閉じるので蒸散は完全にゼロ」とも断定できません。植物の種類や環境条件により異なり、測定値が小さくても過程が全くないとは限りません。資料の範囲で結論を調整します。

自分で確かめよう

確認1:昼に酸素が増えたら、呼吸は止まっている?止まっていません。光合成による酸素の放出が、呼吸による消費を上回った正味の結果です。
確認2:湿度が高いと蒸散が小さくなりやすい理由は?葉の内外の水蒸気量の差が小さくなり、水蒸気が外へ移動しにくくなるためです。
確認3:条件変更を予測するとき、何をそろえる?変える一条件以外の光、温度、葉の枚数、時間などをそろえます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。