一条件だけを変える公平な蒸散実験に直そう
このレッスンの役割
ここまで、気孔、風、湿度、光、温度が蒸散量に関係する仕組みを学びました。今回は、原因を確かめられない実験を見抜き、比較できる形へ直します。
目標は、「変える条件を一つ」「測るものを一つ」「ほかをそろえる」を具体的に設計できることです。
知る・理解する
光の影響を調べたいなら、変える条件は光の強さです。測るものは一定時間の水の減少量などにします。植物の種類、葉面積、水量、時間、温度、湿度、風はできるだけそろえます。
対照は比較の基準です。暗所と明所を比べる、風なしと風ありを比べるように、調べたい条件以外を共通にします。さらに複数個体・複数回で測り、個体差や偶然の影響を小さくします。
具体例で使う
生徒が、校庭の日なたの植物と室内の日陰の植物を比べ、日なたの方が水を多く失ったため「光が強いと蒸散量が増える」と結論しました。しかし、温度、風、湿度、植物の大きさも違う可能性があります。
改善するなら、同じ種類で葉面積の近い枝を用い、同じ室内で照明の有無だけを変えます。照明の熱を避けるか温度を測り、同じ時間後の水の減少量を比較します。装置だけの減少を調べる対照も置きます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「二つの条件を同時に変えれば、二つとも影響すると分かる」は誤りです。結果に差があっても、どちらが原因か、両方かを分けられません。
また、条件をそろえた一回の実験で差が出ても、「すべての植物で必ず」と広げません。調べた植物・範囲・回数を示します。次は複数の条件が示された初見資料を、条件ごとに分解して説明します。
自分で確かめよう
確認1:湿度の影響を調べるとき、変える条件は何?
湿度だけです。光、温度、風、葉面積、時間などはそろえます。確認2:同じ植物を複数使う理由は?
個体差や偶然の影響を小さくし、結果の傾向を確かめるためです。確認3:日なたと日陰の野外比較だけで光が原因と言えないのはなぜ?
温度、湿度、風、植物の大きさなども同時に違う可能性があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。