LESSON 01

根のつくりと根毛

根毛と吸水量の比較データを正しく読もう

「根のつくりと根毛」第4段階。対照で補正し、根毛の状態と吸水量の関係を読みます。

根毛と吸水量の比較データを正しく読もう

このレッスンの役割

前のレッスンで、根毛から道管までの経路を追いました。今回は根毛のある根と、根毛が少ない・傷ついた根の吸水量を比べるデータから、表面積と吸収の関係を読みます。

差を見つけるだけでなく、公平な比較の条件と、資料から言える限界まで説明します。

知る・理解する

吸水量を比べるには、植物の種類と大きさ、根の長さ、葉の枚数、水の量、温度、光、風、時間などをそろえ、根毛の状態だけを変えます。葉の枚数が違えば蒸散量が変わり、根毛以外の影響が混ざります。

例として、同じ大きさの植物を2時間置いた結果を考えます。

条件 水の減少量
根毛を保った根 12 mL
根毛を傷つけた根 5 mL
植物を入れない容器 1 mL

容器からの蒸発1 mLを差し引くと、植物に関係する減少は11 mLと4 mLです。この条件では、根毛を保った方が7 mL多く水を取り入れたと考えられます。

根毛の状態と補正後の水の減少量根毛を保った条件は11ミリリットル、傷つけた条件は4ミリリットルの棒グラフ根毛を保つ根毛を傷つける11 mL4 mL補正後

具体例で使う

結論は「根毛がある方が必ず11 mL吸う」ではありません。「この実験条件では、根毛を保った根の方が補正後の水の減少量が大きく、根毛による表面積の増加が吸水に関係すると考えられる」と書きます。

同じ結果が複数回得られるかも重要です。一回だけなら個体差や測定誤差の可能性があります。複数個体・複数回で確かめ、平均とばらつきを見ます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「差が7 mLだから、すべて根毛だけが原因」と断定してはいけません。根毛を傷つける操作が他の組織にも影響した可能性があります。

また、容器の水の減少をすべて吸水量とするのも誤りです。水面からの蒸発があるため、植物を入れない対照を使って補正します。

自分で確かめよう

確認1:植物を入れない容器を用意する目的は?水面から自然に蒸発した量を知り、植物に関係する減少量から差し引くためです。
確認2:根毛以外にそろえる条件を三つ挙げよう。植物の大きさ、葉の枚数、水量、温度、光、風、時間などから三つです。
確認3:一回の結果だけで一般化しないために何をする?複数個体・複数回で測定し、平均とばらつきを確認します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。