根毛と吸水量の比較データを正しく読もう
このレッスンの役割
前のレッスンで、根毛から道管までの経路を追いました。今回は根毛のある根と、根毛が少ない・傷ついた根の吸水量を比べるデータから、表面積と吸収の関係を読みます。
差を見つけるだけでなく、公平な比較の条件と、資料から言える限界まで説明します。
知る・理解する
吸水量を比べるには、植物の種類と大きさ、根の長さ、葉の枚数、水の量、温度、光、風、時間などをそろえ、根毛の状態だけを変えます。葉の枚数が違えば蒸散量が変わり、根毛以外の影響が混ざります。
例として、同じ大きさの植物を2時間置いた結果を考えます。
| 条件 | 水の減少量 |
|---|---|
| 根毛を保った根 | 12 mL |
| 根毛を傷つけた根 | 5 mL |
| 植物を入れない容器 | 1 mL |
容器からの蒸発1 mLを差し引くと、植物に関係する減少は11 mLと4 mLです。この条件では、根毛を保った方が7 mL多く水を取り入れたと考えられます。
具体例で使う
結論は「根毛がある方が必ず11 mL吸う」ではありません。「この実験条件では、根毛を保った根の方が補正後の水の減少量が大きく、根毛による表面積の増加が吸水に関係すると考えられる」と書きます。
同じ結果が複数回得られるかも重要です。一回だけなら個体差や測定誤差の可能性があります。複数個体・複数回で確かめ、平均とばらつきを見ます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「差が7 mLだから、すべて根毛だけが原因」と断定してはいけません。根毛を傷つける操作が他の組織にも影響した可能性があります。
また、容器の水の減少をすべて吸水量とするのも誤りです。水面からの蒸発があるため、植物を入れない対照を使って補正します。
自分で確かめよう
確認1:植物を入れない容器を用意する目的は?
水面から自然に蒸発した量を知り、植物に関係する減少量から差し引くためです。確認2:根毛以外にそろえる条件を三つ挙げよう。
植物の大きさ、葉の枚数、水量、温度、光、風、時間などから三つです。確認3:一回の結果だけで一般化しないために何をする?
複数個体・複数回で測定し、平均とばらつきを確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。