未知の蒸散実験を水の収支から説明しよう
このレッスンの役割
このセクションの最終レッスンです。袋の水滴、容器の水量、植物の質量、気泡の移動という異なる資料をまとめ、未知の蒸散実験を評価します。
完成の目安は、対照・補正・水の経路・測定限界を含む記述を自力でつくることです。
知る・理解する
初見実験は次の順に読みます。
- 何を蒸散の指標として測ったか確認する。
- 土・水面・袋からの背景蒸発を対照で確認する。
- 時間、葉面積、温度、光、風をそろえる。
- 根毛→道管→葉肉→気孔という水の経路へ戻す。
- 体内に保持された水を考える。
- 測定値が直接量か近似かを明記する。
具体例で使う
植物Aを4時間置くと容器の水が18 mL減り、植物なしの対照は2 mL減りました。Aの葉面積は200 cm²で、前後の質量はほぼ一定でした。
補正後は16 mL、1時間・葉面積1 cm²当たりは16÷4÷200=0.020 mLです。体内質量がほぼ一定なので、この条件では吸水量を蒸散量に近い値として扱えます。
誤答を直して次の学びへつなげる
袋の水滴量と容器の水減少量が違っても、直ちに矛盾ではありません。袋で回収できない水蒸気や、体内保持、測定損失があります。
一種類の測定だけで「蒸散のすべてを証明した」とは言いません。異なる方法が同じ傾向を示すと証拠が強くなります。次のセクションでは、風・湿度・葉の処理など蒸散量を変える条件を分けて調べます。
自分で確かめよう
確認1:全減少18 mL、対照2 mLの補正後は?
18−2=16 mLです。確認2:前後の植物質量がほぼ一定だと何を近似しやすい?
補正した吸水量を蒸散量に近い値として扱いやすくなります。確認3:未知実験の記述に必要な四点は?
対照、背景補正、水の経路、測定値が直接量か近似かという限界です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。