LESSON 01

蒸散量を変える条件

ワセリン実験で葉の表裏の蒸散を比べよう

「蒸散量を変える条件」第2段階。ワセリン処理の差から葉の表裏の蒸散量を求めます。

ワセリン実験で葉の表裏の蒸散を比べよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、蒸散量が気孔の開き方と葉の内外の水蒸気量の差で変わると考えました。今回は、葉の表裏にある気孔の働きをワセリンで確かめます。

目標は、実験操作の意味を理解し、水の減少量の差から葉の表側・裏側の蒸散量を求めることです。

知る・理解する

ワセリンを葉にぬると、その面の気孔がふさがれ、水蒸気が出にくくなります。同じ植物の枝を使い、葉の面以外の条件をそろえて比べます。水面からの蒸発を防ぐため、容器の水面には油を浮かべます。

次の減少量を考えます。両面をぬった枝でも2.0 mL減ったので、この2.0 mLは切り口や装置など、葉の表裏以外による減少とみなします。

処理 2時間の水の減少量
ぬらない 8.0 mL
表だけぬる 7.0 mL
裏だけぬる 3.0 mL
両面ぬる 2.0 mL

表側をふさいだときに減った量は8.0−7.0=1.0 mLです。裏側をふさいだときに減った量は8.0−3.0=5.0 mLです。この葉では、裏側からの蒸散が多いと分かります。

ワセリン処理と水の減少量無処理、表面、裏面、両面をふさいだ四条件の水の減少量を棒で示す8.07.03.02.0なし両面減少量 mL

具体例で使う

「裏面からの蒸散量」を別の差でも確かめられます。表だけをぬった7.0 mLには裏面からの蒸散と背景の2.0 mLが含まれます。7.0−2.0=5.0 mLとなり、先ほどの計算と一致します。

比較の前提は、葉の枚数や面積、枝の太さ、時間、温度、湿度、風をそろえることです。違う植物を一本ずつ使うなら個体差もあるため、複数回行って傾向を確かめます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「両面をぬっても2.0 mL減ったから、ワセリンは効かない」は誤りです。葉以外からの減少が残るため、両面処理が背景量を示しています。

「すべての葉で裏側の気孔が必ず多い」とも限りません。今回の資料で言えるのは、調べた植物と条件では裏側からの蒸散が多かったことです。次は外気の湿度と風が、この通り道から出る水蒸気にどう働くかを考えます。

自分で確かめよう

確認1:水面に油を浮かべる目的は?容器の水面からの蒸発を防ぎ、水の減少を主に植物の吸水と結び付けるためです。
確認2:表側からの蒸散量はいくら?無処理8.0 mLから表だけ処理7.0 mLを引いた1.0 mLです。
確認3:裏だけ処理が3.0 mLだったことから何が言える?裏側をふさぐと減少量が5.0 mL小さくなったため、この条件では裏側からの蒸散が多いと考えられます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。