環状除皮と標識資料から師管の経路を推理しよう
このレッスンの役割
前のレッスンで道管と師管を比較しました。今回は、茎の外側の組織を輪状に取り除く環状除皮や、葉でつくられた養分を追跡する資料から、師管の位置と経路を推理します。
操作→遮られた通路→蓄積した場所→結論の因果をつなぐことが目標です。
知る・理解する
茎の表面近くを輪状にはぎ取ると、外側にある師管が切断されやすい一方、中心側の道管は残ります。時間がたつと、切り取った部分の上側に養分がたまり、ふくらむことがあります。
葉でつくられた養分が師管を通って下方へ移動していたのに、通路が切られて上側に蓄積したと考えられます。水を運ぶ道管が残れば、直後は葉へ水が届くことがあります。
具体例で使う
除皮した茎と、同じ幅の印だけ付けて除皮しない茎を比べます。葉の枚数、光、温度、時間をそろえます。除皮した方だけ上側がふくらみ、糖の濃度が高ければ、外側の通路が養分輸送に関わる証拠になります。
ただし、傷そのものによる反応もあり得ます。除皮しない対照と、複数個体での再現が必要です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「環状除皮で道管を切ったから上がふくらむ」は誤りです。外側の師管が主に切られ、葉から下へ運ばれる養分が上側にたまったと考えます。
「ふくらみは水がたまった証拠」とも限りません。糖濃度の測定や標識した養分の位置など、物質を確かめる資料と合わせます。
自分で確かめよう
確認1:環状除皮で主に切られる通路は?
茎の外側にある師管です。中心側の道管は残りやすいです。確認2:除皮部の上がふくらむ理由は?
葉から下へ移動する糖などの養分が師管の切断部を越えられず、上側に蓄積するためです。確認3:傷による影響と区別する対照は?
同じ条件で育て、印だけ付けるなど師管を切らない個体を用意します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。