LESSON 01

師管で養分を運ぶ

環状除皮と標識資料から師管の経路を推理しよう

「師管で養分を運ぶ」第4段階。環状除皮後の蓄積位置から、師管の経路を推理します。

環状除皮と標識資料から師管の経路を推理しよう

このレッスンの役割

前のレッスンで道管と師管を比較しました。今回は、茎の外側の組織を輪状に取り除く環状除皮や、葉でつくられた養分を追跡する資料から、師管の位置と経路を推理します。

操作→遮られた通路→蓄積した場所→結論の因果をつなぐことが目標です。

知る・理解する

茎の表面近くを輪状にはぎ取ると、外側にある師管が切断されやすい一方、中心側の道管は残ります。時間がたつと、切り取った部分の上側に養分がたまり、ふくらむことがあります。

葉でつくられた養分が師管を通って下方へ移動していたのに、通路が切られて上側に蓄積したと考えられます。水を運ぶ道管が残れば、直後は葉へ水が届くことがあります。

環状除皮で師管が切られ上側に養分が蓄積する茎の外側の師管を輪状に除くと、葉から下へ向かう糖が遮られ、除皮部の上がふくらむ糖が上側に蓄積外側の師管を除く中心側の道管は残る

具体例で使う

除皮した茎と、同じ幅の印だけ付けて除皮しない茎を比べます。葉の枚数、光、温度、時間をそろえます。除皮した方だけ上側がふくらみ、糖の濃度が高ければ、外側の通路が養分輸送に関わる証拠になります。

ただし、傷そのものによる反応もあり得ます。除皮しない対照と、複数個体での再現が必要です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「環状除皮で道管を切ったから上がふくらむ」は誤りです。外側の師管が主に切られ、葉から下へ運ばれる養分が上側にたまったと考えます。

「ふくらみは水がたまった証拠」とも限りません。糖濃度の測定や標識した養分の位置など、物質を確かめる資料と合わせます。

自分で確かめよう

確認1:環状除皮で主に切られる通路は?茎の外側にある師管です。中心側の道管は残りやすいです。
確認2:除皮部の上がふくらむ理由は?葉から下へ移動する糖などの養分が師管の切断部を越えられず、上側に蓄積するためです。
確認3:傷による影響と区別する対照は?同じ条件で育て、印だけ付けるなど師管を切らない個体を用意します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。