環境条件が三つの働きへ及ぼす影響を整理しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、昼の気体変化が光合成と呼吸の差になると学びました。今回は環境条件を変えたとき、どの働きが変わり、測定値にどう表れるかを切り分けます。
目標は、一つの条件が複数の働きへ影響し得ると理解し、原因を調べる対照実験を設計することです。
知る・理解する
環境条件と三つの働きには、次のような関係があります。
| 条件 | 主に確かめる変化 | 注意点 |
|---|---|---|
| 光を強くする | ある範囲まで光合成が速くなる | 呼吸は光がなくても続く |
| 温度を上げる | 適温までは光合成・呼吸が変化する | 高すぎると働きが低下することがある |
| 湿度を下げる | 葉内外の水蒸気差が大きくなり蒸散しやすい | 気孔が閉じるほど乾燥すると単純には増えない |
| 風を当てる | 葉の周囲の湿った空気が運ばれ、蒸散しやすい | 温度も変えないようにする |
原因を調べるときは、変える条件を一つにします。例えば風の影響なら、同じ種類・葉面積の植物を使い、光、温度、時間、土の量をそろえ、風だけを変えます。植物なしの装置も置けば、土や容器からの蒸発を差し引けます。
具体例で使う
扇風機ありの鉢Aは2時間で18 g、なしの鉢Bは10 g軽くなりました。どちらにも植物なしの鉢があり、それぞれ土から2 g蒸発しました。
植物による水の減少はAが16 g、Bが8 gです。ほかの条件をそろえたなら「風で葉の周囲の水蒸気が運ばれ、蒸散が大きくなった」と判断できます。全質量減少をそのまま蒸散量にしないのがポイントです。
誤答を直して次の学びへつなげる
「風を当てると光合成だけが速くなる」のように、一つの条件を一つの現象へ自動的に結ばないでください。実際に測った量と、そろえた条件を確認します。
また、温度と光を同時に変えると、どちらが原因か分かりません。次は複数の測定値が与えられたとき、単位をそろえて植物全体の変化を説明します。
自分で確かめよう
確認1:風の効果を調べるとき何をそろえる?
植物の種類と葉面積、光、温度、時間、土の量などをそろえ、風の有無だけを変えます。確認2:植物なしの鉢を置く理由は?
土や容器からの蒸発量を確かめ、植物による水の減少と区別するためです。確認3:乾燥するほど蒸散は必ず増え続ける?
必ずではありません。強い乾燥で気孔が閉じると、蒸散が抑えられることがあります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。