冷却で最大量が実際量へ近づく仕組みを説明しよう
まず知る
このレッスンは3番目です。前の実験手順を、飽和水蒸気量の変化で説明します。暗記する結論は「露点で実際量と最大量が等しくなる」ですが、ここではなぜそうなるかを図で説明できるようにします。
閉じた空間の空気をゆっくり冷やすとき、凝結が始まるまでは水蒸気が液体へ変わっていないため、実際の水蒸気量はほぼ一定です。一方、飽和水蒸気量は温度が下がるほど小さくなります。
理解する
気温25℃、実際量12.8 g/m³、露点15℃の例を追います。
| 空気の温度 | 飽和水蒸気量 | 実際量 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 25℃ | 23.1 g/m³ | 12.8 g/m³ | まだ余裕がある |
| 20℃ | 17.3 g/m³ | 12.8 g/m³ | まだ凝結しない |
| 15℃ | 12.8 g/m³ | 12.8 g/m³ | 飽和し、凝結開始 |
| 10℃ | 9.4 g/m³ | 最大9.4 g/m³ | 超えた3.4 g/m³が凝結 |
グラフでは横軸の右ほど高温です。空気を冷やす動きは右から左です。露点に達するまでは橙色の実際量は変わらず、青色の最大量が近づきます。交点より低温では、気体でいられる最大量を超えた分が水滴になります。
「冷やすとすぐ水蒸気が減る」は誤りです。減り始めるのは飽和して凝結が始まった後です。
使う
実際量が17.3 g/m³なら、表で飽和水蒸気量17.3 g/m³に対応する20℃が露点です。25℃から20℃までは実際量17.3 g/m³のまま、20℃より下では最大量を超えた分が凝結します。
逆に、実際量が少ない空気ほど、最大量がそこまで小さくなるまで多く冷やす必要があります。したがって、同じ気温なら水蒸気の少ない空気ほど露点は低くなります。
転用する
気温と露点の差が小さいと、少し冷やすだけで飽和します。夜間に気温が下がったとき、霧や露が生じやすいか考える手がかりになります。ただし、風や地面の冷え方なども関係するため、露点だけで必ず発生すると断定はしません。
確認1:露点に達する前、実際の水蒸気量はどうなりますか。
水蒸気の出入りがなく凝結もしていなければ、ほぼ一定です。確認2:冷却中に小さくなるのは何ですか。
その温度で気体として存在できる最大量、つまり飽和水蒸気量です。確認3:同じ気温で実際量が少ない空気の露点は高いですか、低いですか。
低いです。飽和水蒸気量が少ない実際量と等しくなるまで、より強く冷やす必要があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。