LESSON 01

気温を正しく測る

放射・伝導・対流から測定条件の理由を説明しよう

日陰・通風・高さが必要な理由を、太陽や地面からの放射、手からの伝導、空気の対流で説明します。

放射・伝導・対流から測定条件の理由を説明しよう

まず知る

このレッスンは6レッスンの3番目です。「日陰・風通し・高さ」という規則を、熱の移り方から説明できるようにします。

熱の移り方 しくみ 気温測定での例
放射 光や赤外線として、離れた場所へエネルギーが届く 太陽や熱い壁が温度計を暖める
伝導 接している物体の間を熱が移る 手で温度計を握ると手の熱が伝わる
対流 液体や気体が動き、熱を運ぶ 風が温度計の周りの空気を入れ替える

三つは別々に起こるとは限りません。屋外の温度計では、放射・伝導・対流が同時に働きます。

理解する

気温を測る目的は、温度計を「測りたい空気の温度」へ近づけることです。太陽や地面からの放射、手や支柱からの伝導は余分な熱の出入りです。一方、適度な通風は周囲の空気を入れ替え、温度計をその空気の温度へ近づけます。

温度計に働く放射・伝導・対流中央の温度計へ、太陽と地面から放射、手から伝導、周囲の空気から対流によって熱が移る様子太陽温度計手・支柱暖められた地面放射放射伝導対流対流

日陰は太陽からの直接の放射を減らします。しかし、日陰でも熱いアスファルトや壁の近くなら、それらから赤外線が届きます。地面から高さを取り、建物から離す理由はここにあります。

風通しが悪い覆いの中では、温度計の周りに暖められた空気がとどまります。白い、よろい戸のある百葉箱は、放射を反射しながら空気を通す工夫です。

使う

四つの測定場所を評価します。

場所 主な問題 熱の移り方
直射日光の下 温度計が太陽からエネルギーを受ける 放射
手で感温部を持つ 手の熱が温度計へ移る 伝導
熱い壁のすぐ横 壁からの赤外線と空気のよどみ 放射・対流
密閉箱の中 周囲の空気が入れ替わらない 対流不足

「日なたは空気が必ず5 ℃高いから」ではなく、「太陽から温度計へ放射が届き、温度計自身が空気より暖まる可能性があるから」と説明します。原因→熱の移り方→示度への影響の順に書きます。

転用する

未知の配置図では、温度計へ向かう熱の矢印を描きます。太陽・地面・壁・手からの矢印は減らし、測りたい空気との熱交換は確保できているかを判断します。

日陰なのに高い値が出た場合も、このモデルが使えます。風が弱い、熱い壁や地面が近い、感温部に手が触れた、十分に待っていない、という候補を順に調べます。

次は、一つの条件だけを変える比較実験を行い、どの条件が示度をどれだけずらすかを数量で確かめます。

確認1:太陽光が温度計を暖める熱の移り方は?放射です。温度計が空気より高い温度を示す原因になります。
確認2:風通しをよくするのは、温度計を冷やすことが目的?単に冷やすのではなく、温度計の周囲の空気を入れ替え、測りたい空気との熱交換を進めることが目的です。
確認3:日陰でも熱い壁のすぐ横を避けるのはなぜ?壁から放射を受け、さらに空気がよどむと、温度計がその場所の代表的な空気温度を示しにくいからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。