放射・伝導・対流から測定条件の理由を説明しよう
まず知る
このレッスンは6レッスンの3番目です。「日陰・風通し・高さ」という規則を、熱の移り方から説明できるようにします。
| 熱の移り方 | しくみ | 気温測定での例 |
|---|---|---|
| 放射 | 光や赤外線として、離れた場所へエネルギーが届く | 太陽や熱い壁が温度計を暖める |
| 伝導 | 接している物体の間を熱が移る | 手で温度計を握ると手の熱が伝わる |
| 対流 | 液体や気体が動き、熱を運ぶ | 風が温度計の周りの空気を入れ替える |
三つは別々に起こるとは限りません。屋外の温度計では、放射・伝導・対流が同時に働きます。
理解する
気温を測る目的は、温度計を「測りたい空気の温度」へ近づけることです。太陽や地面からの放射、手や支柱からの伝導は余分な熱の出入りです。一方、適度な通風は周囲の空気を入れ替え、温度計をその空気の温度へ近づけます。
日陰は太陽からの直接の放射を減らします。しかし、日陰でも熱いアスファルトや壁の近くなら、それらから赤外線が届きます。地面から高さを取り、建物から離す理由はここにあります。
風通しが悪い覆いの中では、温度計の周りに暖められた空気がとどまります。白い、よろい戸のある百葉箱は、放射を反射しながら空気を通す工夫です。
使う
四つの測定場所を評価します。
| 場所 | 主な問題 | 熱の移り方 |
|---|---|---|
| 直射日光の下 | 温度計が太陽からエネルギーを受ける | 放射 |
| 手で感温部を持つ | 手の熱が温度計へ移る | 伝導 |
| 熱い壁のすぐ横 | 壁からの赤外線と空気のよどみ | 放射・対流 |
| 密閉箱の中 | 周囲の空気が入れ替わらない | 対流不足 |
「日なたは空気が必ず5 ℃高いから」ではなく、「太陽から温度計へ放射が届き、温度計自身が空気より暖まる可能性があるから」と説明します。原因→熱の移り方→示度への影響の順に書きます。
転用する
未知の配置図では、温度計へ向かう熱の矢印を描きます。太陽・地面・壁・手からの矢印は減らし、測りたい空気との熱交換は確保できているかを判断します。
日陰なのに高い値が出た場合も、このモデルが使えます。風が弱い、熱い壁や地面が近い、感温部に手が触れた、十分に待っていない、という候補を順に調べます。
次は、一つの条件だけを変える比較実験を行い、どの条件が示度をどれだけずらすかを数量で確かめます。
確認1:太陽光が温度計を暖める熱の移り方は?
放射です。温度計が空気より高い温度を示す原因になります。確認2:風通しをよくするのは、温度計を冷やすことが目的?
単に冷やすのではなく、温度計の周囲の空気を入れ替え、測りたい空気との熱交換を進めることが目的です。確認3:日陰でも熱い壁のすぐ横を避けるのはなぜ?
壁から放射を受け、さらに空気がよどむと、温度計がその場所の代表的な空気温度を示しにくいからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。