LESSON 01

飽和水蒸気量と温度

温度が高いほど飽和水蒸気量が大きい理由を説明しよう

「飽和水蒸気量と温度」第3段階。蒸発・凝結・分子運動の動的なつり合いから、高温ほど最大量が大きい理由を説明する。

温度が高いほど飽和水蒸気量が大きい理由を説明しよう

まず知る

このレッスンの役割と目標

このレッスンは「飽和水蒸気量と温度」6レッスンの3番目です。前回、曲線から温度が高いほど最大量が大きいと読みました。今回は、その傾向を蒸発と凝結の動的なつり合いから説明します。

「暖かい空気は大きな箱だから水蒸気が入る」という説明は覚えやすい反面、空気を容器のように誤解させます。重要なのは、温度によって水分子の運動と、液体・気体のつり合いが変わることです。

理解する

蒸発と凝結がつり合う点を比べる

低温と高温で異なる蒸発と凝結の動的つり合い低温では少ない水蒸気量で蒸発と凝結がつり合い、高温では分子運動が活発で、より多くの水蒸気がある状態でつり合う。低い温度高い温度少ない気体量でつり合う多い気体量でつり合う飽和でも分子は出入りし続ける

温度が高いと、液体中の水分子の運動が活発になり、水面から飛び出す分子が増えます。気体側の水分子が増えると液面へ戻る凝結も増え、やがて蒸発と凝結がつり合います。高温では、より多い水蒸気量のところでこのつり合いに達します。

温度が低いと、より少ない水蒸気量でつり合います。そのため、同じ実際量の空気を冷やすと、最大量が実際量まで下がる温度で飽和し、さらに冷やすと超えた分が凝結します。

使う

温度だけを変えたときの予測

密閉容器内の空気が20℃で実際量10 g/m³だとします。20℃の最大量17.3 g/m³より少ないので未飽和です。水の出入りがないまま30℃へ暖めても、実際量は基本的に10 g/m³のままですが、最大量は30.4 g/m³へ増えます。

したがって、「暖めると水蒸気量が必ず増える」は誤りです。暖めただけでは水が新しく加わりません。液体の水が一緒にあり蒸発できるなら、実際量が増える場合があります。温度変化と物質の出入りを分けます。

操作 実際量 最大量
密閉して暖める 水の出入りがなければ同じ 大きくなる
液体の水とともに暖める 蒸発で増えることがある 大きくなる
冷やす 飽和までは同じ 小さくなる

転用する

まとめと次へのつながり

「空気が水蒸気を入れる箱」という比喩は、最大量の増減を覚える補助にはなっても、原因の説明には使いません。蒸発・凝結・分子運動・動的つり合いで説明します。

次は、実際量を保ったまま冷やしたとき、冷却後の最大量を超える分を凝結量として計算します。

理解チェック

確認1:高温ほど飽和水蒸気量が大きい理由は何ですか。高温では分子運動と蒸発が活発になり、より多い水蒸気量で蒸発と凝結がつり合うからです。
確認2:密閉した空気を暖めるだけで実際の水蒸気量は必ず増えますか。増えません。水の出入りや液体からの蒸発がなければ、実際量は基本的に同じです。
確認3:飽和状態では蒸発は止まっていますか。止まっていません。蒸発と凝結が同じ割合で進む動的なつり合いです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。