LESSON 01

気温を正しく測る

比較実験で測定誤差を数量化しよう

一条件だけを変える比較実験を設計し、時間変化・平均・ばらつきから偶然誤差と系統的なずれを読みます。

比較実験で測定誤差を数量化しよう

まず知る

このレッスンは6レッスンの4番目です。日射・高さ・通風のどれが温度計の示度を変えたか確かめるには、一度に一つの条件だけを変えます。

実験で決めるもの 気温測定の例
変える条件 日なたか日陰か
測るもの 温度計の示度
そろえる条件 器具、高さ、時刻、場所、待ち時間、通風
繰り返す理由 偶然のばらつきと一方向のずれを見分けるため

測定値と真の値との差を誤差といいます。学校の実験では真の気温を完全には知れないため、基準条件の測定値や複数回の平均と比べます。

理解する

測定値の散らばり方には二つの見方があります。毎回ばらばらに上下する差は偶然誤差、同じ条件でいつも高め・低めになる差は系統誤差の可能性があります。

日陰と日なたの温度計示度を時間ごとに比較するグラフ日陰は25度付近で安定し、日なたは時間とともに30度付近まで上がるため、日射による系統的な高めのずれを示す32 ℃30 ℃28 ℃26 ℃24 ℃0分2分4分6分8分10分日陰日なた時間

図では同じ温度計が最初は同じ示度ですが、日なた側だけ一方向に上昇しています。この差を空気の気温差と決める前に、日射が温度計を暖めた系統的なずれと考えます。

平均値は偶然のばらつきを小さくする助けになりますが、系統誤差は平均しても消えません。毎回2 ℃高く出る器具を10回測って平均しても、約2 ℃高いままです。

使う

日陰で同じ時刻に3回測り、24.8 ℃、25.0 ℃、25.2 ℃だったとします。

平均は、(24.8 + 25.0 + 25.2) ÷ 3 = 25.0 ℃です。最大値と最小値の差は0.4 ℃で、ばらつきの大きさもわかります。

別の温度計が同じ場所で26.0 ℃、26.1 ℃、25.9 ℃なら、平均は26.0 ℃です。ばらつきは小さくても、最初の温度計よりいつも約1 ℃高いので、器具のずれや設置条件の違いを疑います。

比較実験の結論は「日なたのほうが高かった」だけでなく、「日陰以外の条件をそろえた結果、10分後に日なたが約4 ℃高くなったため、日射が示度を高くしたと考えられる」と書きます。

転用する

未知の実験計画では、二つの群で違う条件を数えます。日なた側だけ高さも器具も違うなら、どの条件が差を生んだか決められません。

外れ値を見つけたら、測定記録に印を付け、器具・時刻・読み方・周囲の変化を確認します。理由がわからないまま削除せず、含めた場合と除いた場合の結論が変わるかも調べます。

次は、実際の測定場面に潜む直射日光・地面・手・視差・待ち時間の誤りを診断して修正します。

確認1:日なたと日陰を比べる実験で、日射以外にそろえるものは?器具、高さ、時刻、場所の近さ、待ち時間、通風などをそろえます。
確認2:測定回数を増やして平均すれば、毎回高めに出る系統誤差は消える?消えません。平均は偶然のばらつきを減らしますが、一方向のずれは残ります。
確認3:二つの場所で温度差が出たが、日射と高さの両方が違った。原因を日射と決めてよい?決められません。日射か高さかを分けるには、一方だけを変えた比較が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。