比較実験で測定誤差を数量化しよう
まず知る
このレッスンは6レッスンの4番目です。日射・高さ・通風のどれが温度計の示度を変えたか確かめるには、一度に一つの条件だけを変えます。
| 実験で決めるもの | 気温測定の例 |
|---|---|
| 変える条件 | 日なたか日陰か |
| 測るもの | 温度計の示度 |
| そろえる条件 | 器具、高さ、時刻、場所、待ち時間、通風 |
| 繰り返す理由 | 偶然のばらつきと一方向のずれを見分けるため |
測定値と真の値との差を誤差といいます。学校の実験では真の気温を完全には知れないため、基準条件の測定値や複数回の平均と比べます。
理解する
測定値の散らばり方には二つの見方があります。毎回ばらばらに上下する差は偶然誤差、同じ条件でいつも高め・低めになる差は系統誤差の可能性があります。
図では同じ温度計が最初は同じ示度ですが、日なた側だけ一方向に上昇しています。この差を空気の気温差と決める前に、日射が温度計を暖めた系統的なずれと考えます。
平均値は偶然のばらつきを小さくする助けになりますが、系統誤差は平均しても消えません。毎回2 ℃高く出る器具を10回測って平均しても、約2 ℃高いままです。
使う
日陰で同じ時刻に3回測り、24.8 ℃、25.0 ℃、25.2 ℃だったとします。
平均は、(24.8 + 25.0 + 25.2) ÷ 3 = 25.0 ℃です。最大値と最小値の差は0.4 ℃で、ばらつきの大きさもわかります。
別の温度計が同じ場所で26.0 ℃、26.1 ℃、25.9 ℃なら、平均は26.0 ℃です。ばらつきは小さくても、最初の温度計よりいつも約1 ℃高いので、器具のずれや設置条件の違いを疑います。
比較実験の結論は「日なたのほうが高かった」だけでなく、「日陰以外の条件をそろえた結果、10分後に日なたが約4 ℃高くなったため、日射が示度を高くしたと考えられる」と書きます。
転用する
未知の実験計画では、二つの群で違う条件を数えます。日なた側だけ高さも器具も違うなら、どの条件が差を生んだか決められません。
外れ値を見つけたら、測定記録に印を付け、器具・時刻・読み方・周囲の変化を確認します。理由がわからないまま削除せず、含めた場合と除いた場合の結論が変わるかも調べます。
次は、実際の測定場面に潜む直射日光・地面・手・視差・待ち時間の誤りを診断して修正します。
確認1:日なたと日陰を比べる実験で、日射以外にそろえるものは?
器具、高さ、時刻、場所の近さ、待ち時間、通風などをそろえます。確認2:測定回数を増やして平均すれば、毎回高めに出る系統誤差は消える?
消えません。平均は偶然のばらつきを減らしますが、一方向のずれは残ります。確認3:二つの場所で温度差が出たが、日射と高さの両方が違った。原因を日射と決めてよい?
決められません。日射か高さかを分けるには、一方だけを変えた比較が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。