LESSON 01

天気を数値で観測しよう

体感・測定条件・単位のずれによる誤答を直そう

気象観測の誤答を、体感・測定条件・用語と向き・単位と時間のずれに分類し、証拠へ戻って修正します。

体感・測定条件・単位のずれによる誤答を直そう

まず知る

このレッスンは6レッスンの5番目です。答えを覚え直すのではなく、誤りが生まれた場所を見つけて直します。

気象観測の誤りは、主に次の四つです。

誤りの入口 典型例 戻って確かめるもの
体感と測定の混同 むし暑いから気温だけが高い 気温と湿度の両方
測定条件の不一致 日なたと日陰の気温を比較 地点・時刻・高さ・日射・器具
用語・向きの混同 南風を南へ吹く風とする 風が吹いてくる方角
単位・集計時間の混同 1時間雨量と1日雨量を比較 単位と対象時間

誤答は「自分には理科ができない」という証拠ではありません。どの基準がずれたかを示す診断材料です。

理解する

同じ数字でも、測った条件が違えば同じ意味ではありません。反対に、体感が違っても気温が同じ場合があります。湿度や風速、日射が体感を変えるからです。

気象観測の誤答を原因別に診断して修正する図誤答を、体感、測定条件、用語と向き、単位と時間の四つに分類し、それぞれ証拠へ戻して直す流れ誤答どこでずれた?体感と測定測定条件用語・向き単位・時間証拠へ戻して条件をそろえ直す

異常な値を見つけたとき、すぐに削除してはいけません。実際に急な気象変化が起きた可能性があるからです。まず器具の故障、読み間違い、置き場所、時刻を確認し、それでも正しければ重要な観測値として残します。

雲量と雲の種類も区別します。雲量は空を覆う割合で、積雲・乱層雲などの種類ではありません。同じ雲量8でも雲の種類が違えば、天気の変化は異なり得ます。

使う

誤答例:「A地点は気温30 ℃、B地点は気温28 ℃だから、A地点のほうが必ずむし暑い。」

診断します。

  1. 「むし暑い」は体感で、気温だけでは決まらない。
  2. 湿度、風速、日射、測定条件が不足している。
  3. 「A地点の気温は2 ℃高い」までは事実である。
  4. むし暑さを比べるには、少なくとも湿度と測定条件を追加する。

別の例:「南風3 m/sだから、風は南へ毎秒3 m進む。」は、風向の意味の誤りです。南風は南から北へ吹き、風速だけが3 m/sです。

転用する

入試で自分の答えと資料が合わないときは、次の順で戻ります。

  1. 観測量と単位は合っているか。
  2. 時刻・地点・集計時間は同じか。
  3. 用語の定義と向きは正しいか。
  4. 事実より広い範囲を断定していないか。
  5. 原因を一つに決めすぎていないか。

この手順は気象以外にも使えます。実験条件をそろえる、単位を確かめる、異常値を理由なく消さないという考え方は、物理・化学・生物の資料問題にも共通します。

次は、未知の気象データを読み、このセクションで身につけた観測・説明・修正を一つの答案へまとめます。

確認1:気温が同じなら、体感も必ず同じ?同じとは限りません。湿度、風速、日射なども体感に影響します。
確認2:一つだけ大きく外れた観測値は、すぐ消してよい?いけません。器具、読み方、地点、時刻を確認し、実際の急変か測定上の問題かを判断します。
確認3:「昨日の1日降水量」と「今日の1時間降水量」を数字だけで比べてよい?いけません。集計時間が違うため、同じ時間幅へそろえるか、違いを明記して扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。