LESSON 01

気圧と大気の重さ

見えない空気にも重さがあることを確かめよう

「気圧と大気の重さ」第1段階。同じ容器で空気を入れる前後の質量を比べ、見えない空気にも質量があることを条件と数値から説明する。

見えない空気にも重さがあることを確かめよう

まず知る

このレッスンの役割と目標

このレッスンは「気圧と大気の重さ」6レッスンの1番目です。前のセクションで身につけた「見えないものも、観測できる量から考える」方法を使い、空気には質量があることを確かめます。ここが分かると、次のレッスンで大気圧を「空気が面を押すはたらき」として理解できます。

空気は透明なので、何もないように見えます。しかし、ふくらんだボールや袋の中には空気が入っており、空気は場所をとります。さらに、同じ容器を使って空気を入れる前後の質量を比べると、空気を入れた後のほうがわずかに重くなります。

大切なのは「空気は軽い」と「空気には質量がない」を分けることです。空気は水や金属より密度が小さく、一つのボールに入る量では質量差が小さいだけです。地球全体を包むほど大量に集まれば、その質量は無視できません。

理解する

公平に比べるには、容器・温度・測る器具をそろえ、変える条件を「入っている空気の量」だけにします。別々のボールを比べると、ゴムの厚さや大きさの違いまで結果に混ざります。

同じボールで空気を入れる前後の質量を比べる実験空気の少ない同じボールを測った後、空気を加えて再び測る。増えた質量は加えた空気の質量である。245.2 g空気を入れる前空気だけを加える246.0 g空気を入れた後差は 0.8 g加えた空気の質量

図の例では、245.2 gから246.0 gへ0.8 g増えています。

246.0 - 245.2 = 0.8 g

容器は同じで、加えたものが空気だけなら、この差は加えた空気の質量だと考えられます。測定値が毎回少し違うときは、数回測って傾向を確かめます。「差が小さいからゼロ」とはしません。

使う

具体例で使う

次の結果を考えます。同じ密閉できる袋を電子てんびんで測ると、空気を抜いたときは18.4 g、空気を入れて閉じたときは19.1 gでした。

確認すること 判断
同じ容器か 同じ袋なので、容器の差はない
変えた条件は何か 袋の中の空気の量
質量差はいくらか 19.1 − 18.4 = 0.7 g
何が言えるか 加えた空気にも0.7 gの質量がある

説明するときは「空気入りの袋が重かった」だけで終えず、「同じ袋を使い、空気の量だけを変えた」「0.7 g増えた」と条件と数値を示します。この二つが根拠です。

一方、空気入りの大きな袋と、空気の少ない小さな袋を比べても、袋そのものの質量が違うため、その結果だけでは空気の質量を決められません。実験では、変えた条件以外をそろえることが理解を支えます。

よくある間違いを直す

「見えないから何もない」「差が小さいから質量は0」と決めないことが大切です。観察できない性質も、条件をそろえた測定値の差から確かめられます。

転用する

まとめと次へのつながり

教室の空気は軽く感じますが、教室いっぱいの空気は小さなボール何個分よりもはるかに多い量です。大気は地表から上空まで積み重なっているため、その全体には大きな質量があります。次のレッスンでは、その大気が机、壁、私たちの体などの面を押す「大気圧」を観察します。

初めて見る実験では、次の順で考えましょう。

  1. 何を同じにしたか。
  2. 何だけを変えたか。
  3. 測定値はいくら変わったか。
  4. その差を生んだ物質は何か。

理解チェック

確認1:空気は軽いので、質量は0 gですか。いいえ。密度が小さく、少量では質量差が小さいだけです。同じ容器で空気を加える前後を測れば、質量の増加を確かめられます。
確認2:245.2 gのボールに空気を入れると246.0 gになりました。加えた空気の質量は何gですか。246.0 − 245.2 = 0.8より、0.8 gです。容器が同じで、加えたものが空気だけであることも根拠に含めます。
確認3:別々の二つのボールを測るだけでは不十分なのはなぜですか。ゴムの厚さや大きさなど、空気以外の違いも質量差に混ざるからです。同じ容器を使い、空気の量だけを変えます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。