観測器具・単位・記録条件を入試資料から選び分けよう
まず知る:このレッスンの役割と目標
ここは「気象観測と大気の入試総合」6レッスンの1番目です。前のセクションまでに学んだ気温・気圧・湿度・風・雲量を、入試資料の中で正しく見分けて使える形に整えます。
このレッスンで完成させる力は、知りたい量に合う器具と単位を選び、測定条件まで説明する力です。器具名だけを覚えても、日なたで気温を測ったり、風向計のまわりを壁で囲んだりすれば、値はその場所の空気を正しく表しません。
| 知りたい量 | 主な器具・方法 | よく使う単位 | そろえる条件 |
|---|---|---|---|
| 気温 | 温度計 | ℃ | 直射日光を避け、風通しをよくする |
| 気圧 | 気圧計 | hPa | 地点と時刻を記録する |
| 湿度 | 乾湿計など | % | 気温と同じ時刻に測る |
| 風向 | 風向計 | 16方位など | 障害物の少ない場所で、吹いてくる向きを読む |
| 風速 | 風速計 | m/s | 風向と同時刻に測る |
| 雲量 | 空全体に占める雲の割合 | 0〜10 | 空全体を見渡す |
覚える合図は「量・器具・単位・条件」の4点セットです。
理解する:例題で理由を確かめる
校庭の気温を9時から15時まで比べる調査を考えます。9時は百葉箱の温度計、12時は日なたに置いた温度計、15時は百葉箱の温度計を使いました。この3点をそのまま折れ線で結んでも、空気の時間変化だけを表したとはいえません。12時だけ直射日光で温度計自身が温められる条件が加わるからです。
例題:風向が「北西」と記録されていました。風はどちらへ進みますか。
風向は風が吹いてくる向きです。北西の風は、北西から南東へ進みます。「向かう先」ではなく「出発した側」で名付けるのがポイントです。
使う:間違い・誤答を直して練習する
誤答例:「風の強さを調べたいので、風向計を使い、単位はm/sとした。」
風向計が測るのは向きです。強さを数値で調べるなら風速計を使います。修正答案は「風速計を使い、風速をm/sで記録する」です。
さらに、入試では器具の置き方を問われます。「温度計の液だめに直接息を吹きかけない」「目盛りを正面から読む」「値だけでなく時刻と地点も記録する」のように、何の影響を避けるかまで考えましょう。
理解チェック1:気圧を表す単位は?
hPa(ヘクトパスカル)です。地点と時刻も一緒に記録します。理解チェック2:日なたの温度計が不適切な理由は?
直射日光で温度計自身が温まり、その場所の空気の温度だけを示さなくなるからです。理解チェック3:南の風はどちらからどちらへ吹く?
南から北へ吹きます。風向は吹いてくる向きで表します。転用する:まとめと次の学びへ
初見の観測表を見たら、最初に「何を測ったか」「器具は合っているか」「単位は何か」「地点・時刻・設置条件はそろっているか」を確認します。この順序なら、グラフの値を読む前に、比較してよいデータか判断できます。
次は、条件のそろった観測値を使って、湿度・露点・凝結量を一つの資料から段階的に計算します。今回の「量と単位を対応させる力」が、式の分子と分母を取り違えない土台になります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。