LESSON 01

環境変化と絶滅

個体数の推移から絶滅リスクを判断しよう

「環境変化と絶滅」第4段階。個体数推移と減少率からリスクを判断します。

個体数の推移から絶滅リスクを判断しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「環境変化と絶滅」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、環境変化から資源、生存・繁殖、個体数減少へ因果をつなぎました。ここでは、個体数グラフと出生・死亡データを使い、減少の速さと残っている個体数を読みます。

完成の目安は、増減数と増減率を区別し、一年の変化だけで絶滅を断定せず、どの追加資料が必要かまで説明できることです。

知る・理解する

個体数の変化は、単純化すると次の関係で考えられます。

次の年の個体数 = 現在の個体数 + 出生数 + 流入数 − 死亡数 − 流出数

閉じた島で出入りがなければ、出生数より死亡数が多い年が続くと個体数は減ります。減少数だけでなく、もとの個体数に対する割合も見ます。

減少率 = 減少数 ÷ もとの個体数 × 100

集団AとBの個体数推移5年間で集団Aは1000から700へ緩やかに減少し、集団Bは120から30へ急減する折れ線グラフ。傾きと残存数の両方を見る個体数A: 1000→700B: 120→3001234

集団Aは300匹減り、集団Bは90匹減りました。減少数だけならAの方が大きいですが、Aは30%減、Bは75%減です。さらにBは30匹しか残っていません。急な減少と小さな残存数が重なるBの方が、偶然の災害や近親交配の影響も受けやすいと考えられます。

具体例で使う

ある年、島の鳥は80羽で、ひなが12羽育ち、成鳥が20羽死にました。出入りがないなら翌年は72羽です。

80 + 12 − 20 = 72

減少数は8羽、減少率は8 ÷ 80 × 100 = 10%です。同じ状態が続くと減少しますが、一年だけで絶滅を断定できません。翌年以降の出生・死亡、年齢構成、繁殖できる雌雄の数、環境条件を追います。

個体数が同じでも、若い個体が多い集団と、高齢個体だけの集団では将来が違います。数字の合計だけでなく、次世代を作れる構成を見る必要があります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「Aは300匹減ったのでBより危険」は、もとの個体数と減少率を見ていません。

「一年で10%減ったから必ず10年で絶滅する」も誤りです。出生・死亡や環境は毎年変わり、減少数も一定とは限りません。

次は、「弱い種が絶滅する」「必要ならすぐ適応する」「一つの原因で全個体が同時に消える」という説明を、データに合う因果へ直します。

自分で確かめよう

確認1:個体数の基本的な増減を表す式は?現在数+出生数+流入数−死亡数−流出数です。
確認2:1000から700と120から30では、どちらの減少率が大きい?120から30は75%減なので、1000から700の30%減より大きいです。
確認3:一年の減少だけで絶滅を断定できない理由は?出生・死亡・移動・環境が翌年以降に変わるため、長期の傾向と繁殖可能個体を確認する必要があるからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。