自然選択に必要な四つの条件をつかもう
このレッスンの役割
このレッスンは「自然選択の考え方」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、同じ種の集団にも個体差があることを学びました。ここでは、その個体差がどんな条件で世代を重ねた集団の変化へつながるかを整理します。
完成の目安は、個体差、遺伝、生存・繁殖の差、世代ごとの割合変化という四条件を区別し、どれかが欠ける資料では自然選択と断定しないことです。
知る・理解する
自然選択を説明するには、次の四条件を順につなぎます。
- 集団内に形質の個体差がある。
- その差の少なくとも一部が子へ伝わる。
- 特定の環境で、生存して子孫を残す数に差がある。
- その差が世代を重ね、集団内の形質の割合が変わる。
個体差があるだけなら、まだ自然選択ではありません。ある個体が偶然生き残っただけでも、次世代へ形質が伝わらなければ集団の変化につながりません。生存だけでなく、子孫を残したかも重要です。
具体例で使う
明色と暗色の昆虫がいる集団を考えます。暗い樹皮では暗色個体が鳥に見つかりにくく、平均して多く生き残りました。暗色という形質が子へ伝わり、暗色個体がより多く繁殖した結果、数世代後に暗色の割合が増えました。
この説明には四条件があります。最初から二つの体色がある、体色が子へ伝わる、暗い背景で生存・繁殖に差がある、世代ごとに割合が増える、です。
もし一匹の暗色個体だけが生き残り、子を残さなかったなら、次世代の割合は変わりません。また暗色が親から子へ伝わらない差なら、同じ結果が世代を通じて続くとは限りません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「個体差があれば自然選択」は、遺伝・繁殖・世代変化を確認していません。
「長生きした個体が選ばれた」は、子孫数を見ていません。長生きしても子を残さなければ、形質の割合へ直接つながりません。
次は、体色の紙片と背景を使ったモデル実験を設計し、背景以外の条件をそろえて、生存に見立てた残り方を比較します。
自分で確かめよう
確認1:自然選択を考える四条件は?
個体差、その差の遺伝、生存・繁殖の差、世代ごとの形質割合の変化です。確認2:一匹が生き残れば自然選択といえる?
それだけでは言えません。形質が遺伝し、子孫数に差があり、世代で割合が変わるかを確認します。確認3:形質の差が遺伝しなければ何が不足する?
親の差が次世代へつながらないため、自然選択の遺伝という条件が不足します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。