共有する特徴から系統樹を組み立てよう
このレッスンの役割
このレッスンは「系統樹を読もう」6レッスンの4番目です。ここまでに、分岐点から共通祖先を探し、枝を回転しても関係が変わらないことを学びました。ここでは、複数の生物がもつ特徴の表から、簡単な系統樹を組み立てます。
完成の目安は、特徴を共有する生物の範囲を比べ、特徴を獲得したと考えられる位置を枝上へ置き、分岐順を説明できることです。
知る・理解する
祖先にはなかった新しい特徴がある系統で現れ、子孫へ受け継がれたとします。その特徴を共有する生物は、その特徴をもった共通祖先から分かれた可能性があります。
| 生物 | 背骨 | 四肢 | 羊膜 | 羽毛 |
|---|---|---|---|---|
| コイ | ○ | × | × | × |
| カエル | ○ | ○ | × | × |
| トカゲ | ○ | ○ | ○ | × |
| ハト | ○ | ○ | ○ | ○ |
この表では、背骨は4種すべて、四肢はカエル・トカゲ・ハト、羊膜はトカゲ・ハト、羽毛はハトだけがもちます。共有範囲が少しずつ狭くなる順に枝上へ置くと、分岐順を作れます。
ただし、表にある特徴が似ているだけで必ず共通祖先から受け継いだとは限りません。環境への適応で別々の系統に似た特徴が生じる収斂もあります。ここでは問題文が、各特徴を一度獲得して受け継いだ単純なモデルとして扱う場合を考えます。
具体例で使う
未知生物A・B・C・Dについて、特徴pは全種、qはB・C・D、rはC・D、sはDだけがもつとします。
まずpを根元側に置きます。次にAが分岐した後へqを置き、Bが分岐した後へrを置き、Cが分岐した後のDの枝へsを置きます。分岐順は、A、B、C、Dの順に枝分かれする形になります。
ここからCとDが最も新しい共通祖先を共有すると読めます。「共有する特徴の数が一番多い」だけで終わらず、どの特徴をどの共通祖先から受け継いだと考えたかまで説明します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「似た特徴の数だけ数えればよい」は不十分です。祖先から受け継いだ新しい特徴か、独立に似た特徴が生じたのかを考える必要があります。
「羽毛がない生物は進化していない」も誤りです。形質の有無は分岐を推定する手がかりであり、進化の上下を示しません。
次は、見た目の近さ、一直線の進化、現生種を別の現生種の祖先とする三つの典型的な誤りをまとめて直します。
自分で確かめよう
確認1:四肢を共有する生物は?
表ではカエル、トカゲ、ハトです。確認2:トカゲとハトがより新しい共通祖先をもつと考える手がかりは?
この二種だけが羊膜を共有していることです。確認3:似た特徴だけで系統を断定できない理由は?
別々の系統で似た特徴が独立に生じる収斂などがあるため、複数の証拠が必要だからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。