LESSON 01

進化に関する資料を考察する

割合・増減・平均から集団変化を比べよう

「進化に関する資料を考察する」第4段階。割合・増減率・平均繁殖数を正しく比較します。

割合・増減・平均から集団変化を比べよう

このレッスンの役割

このレッスンは「進化に関する資料を考察する」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、仮説から比較可能な予測を作りました。ここでは、形質の割合、増減率、平均繁殖数を計算し、予測と実測値を数量で比べます。

完成の目安は、設問に合う量を選び、%とポイント、平均と個々の値を区別して、集団の世代変化を説明できることです。

知る・理解する

進化資料でよく使う量を整理します。

形質Aの割合 = 形質Aの個体数 ÷ 全個体数 × 100

増減率 = 変化した数 ÷ もとの数 × 100

平均繁殖数 = 子の合計数 ÷ 親の個体数

個体数から割合と平均繁殖数を計算する第1世代100個体中形質Aが30個体、第2世代120個体中形質Aが72個体で、割合が30%から60%へ変化する。個体数と割合を分けて計算する第1世代全体 100個体形質A 30個体30 ÷ 100 = 30%第2世代全体 120個体形質A 72個体72 ÷ 120 = 60%30%から60%へ30ポイント増、割合は2倍

30%から60%は「30%増」ではありません。差は30ポイントで、もとの30%に対する増加率は100%、つまり2倍です。設問が「何ポイント変化したか」と「何%増えたか」のどちらかを確認します。

平均値も「すべての個体がその数の子を残した」という意味ではありません。平均4なら、0・2・4・10のように個体差があっても合計16÷4で4になります。

具体例で使う

厚いくちばし群20個体が合計100羽、薄いくちばし群25個体が合計50羽の子を残しました。

厚い群の平均繁殖数は100÷20=5羽、薄い群は50÷25=2羽です。厚い群の方が平均して多く子を残しています。

形質が遺伝し、他条件が同じなら、次世代で厚い形質の割合が増えるという予測を支えます。ただし親の個体数が違うため、子の合計だけでなく一個体あたりの平均を比べます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「合計100羽対50羽だから厚い群が2倍有利」は、親の個体数を無視しています。平均繁殖数を計算します。

「平均5羽だから全個体が5羽ずつ」は、平均と分布を混同しています。

次は、二つの量が同時に変わっただけで因果と決める、縦軸を切って差を誇張する、一部期間だけ選ぶという誤読を直します。

自分で確かめよう

確認1:30%から60%への変化は何ポイント?30ポイントです。もとの割合に対しては100%増、2倍です。
確認2:合計繁殖数をそのまま比べられない場合は?親の個体数が異なる場合です。一個体あたりの平均繁殖数を比べます。
確認3:平均繁殖数5が意味しないことは?すべての個体が5ずつ子を残した、という意味ではありません。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。