割合・増減・平均から集団変化を比べよう
このレッスンの役割
このレッスンは「進化に関する資料を考察する」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、仮説から比較可能な予測を作りました。ここでは、形質の割合、増減率、平均繁殖数を計算し、予測と実測値を数量で比べます。
完成の目安は、設問に合う量を選び、%とポイント、平均と個々の値を区別して、集団の世代変化を説明できることです。
知る・理解する
進化資料でよく使う量を整理します。
形質Aの割合 = 形質Aの個体数 ÷ 全個体数 × 100
増減率 = 変化した数 ÷ もとの数 × 100
平均繁殖数 = 子の合計数 ÷ 親の個体数
30%から60%は「30%増」ではありません。差は30ポイントで、もとの30%に対する増加率は100%、つまり2倍です。設問が「何ポイント変化したか」と「何%増えたか」のどちらかを確認します。
平均値も「すべての個体がその数の子を残した」という意味ではありません。平均4なら、0・2・4・10のように個体差があっても合計16÷4で4になります。
具体例で使う
厚いくちばし群20個体が合計100羽、薄いくちばし群25個体が合計50羽の子を残しました。
厚い群の平均繁殖数は100÷20=5羽、薄い群は50÷25=2羽です。厚い群の方が平均して多く子を残しています。
形質が遺伝し、他条件が同じなら、次世代で厚い形質の割合が増えるという予測を支えます。ただし親の個体数が違うため、子の合計だけでなく一個体あたりの平均を比べます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「合計100羽対50羽だから厚い群が2倍有利」は、親の個体数を無視しています。平均繁殖数を計算します。
「平均5羽だから全個体が5羽ずつ」は、平均と分布を混同しています。
次は、二つの量が同時に変わっただけで因果と決める、縦軸を切って差を誇張する、一部期間だけ選ぶという誤読を直します。
自分で確かめよう
確認1:30%から60%への変化は何ポイント?
30ポイントです。もとの割合に対しては100%増、2倍です。確認2:合計繁殖数をそのまま比べられない場合は?
親の個体数が異なる場合です。一個体あたりの平均繁殖数を比べます。確認3:平均繁殖数5が意味しないことは?
すべての個体が5ずつ子を残した、という意味ではありません。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。