化石・系統樹・自然選択を一つの説明へつなごう
このレッスンの役割
このレッスンは「生物の進化の入試総合」6レッスンの3番目です。前のレッスンでは、資料を時間・系統・集団の三層へ整理しました。ここでは、各層の役割を混同せず、一つの説明文へつなぎます。
完成の目安は、化石で時間順、系統樹で共通祖先、繁殖資料で集団変化を示し、それぞれの根拠を残した考察を書けることです。
知る・理解する
三層は次の順でつなぐと整理しやすくなります。
- 化石:過去にどんな形態が、いつ現れたか。
- 系統樹:どの分類群が新しい共通祖先を共有するか。
- 自然選択:分岐後の環境で、集団の形質割合がどう変わるか。
化石と現生種が似ていても、「化石個体が現生種へ変化した」とは書きません。過去の系統と現生系統が共通祖先をもつ可能性や、祖先的特徴を共有する可能性を述べます。
自然選択は、分岐そのものを一世代で起こす説明ではありません。遺伝する個体差と繁殖差が世代で積み重なり、集団の割合が変わる仕組みです。
具体例で使う
化石Xは古い地層で短い脚、新しい地層で長い脚の型が増えます。系統樹では現生AとBがXに近い特徴を共有し、AとBが新しい共通祖先をもちます。乾燥地のA集団では長脚個体の平均繁殖数が高く、割合が25%から70%へ増えました。
考察は「化石記録は脚形態の時間的変化を示す。系統樹ではAとBが比較群より新しい共通祖先を共有する。A集団では長脚形質が遺伝し、長脚個体が平均して多く子を残したため、世代を重ねて割合が増えたと考えられる」とします。
誤答を直して次の学びへつなげる
「XがAになった」は直接祖先を断定しています。
「Aは必要なので脚を伸ばした」は個体の目的を集団の世代変化へ置き換えています。
次は、系統樹で比較対象を選んだ後、形質割合と平均繁殖数を計算する混合問題を順番に解きます。
自分で確かめよう
確認1:化石資料が主に示すことは?
過去の生物の形態と、その出現・変化・消失の時間順です。確認2:系統樹と自然選択の役割の違いは?
系統樹は共通祖先と分岐関係、自然選択は集団内の形質割合が世代で変わる仕組みを示します。確認3:化石種を直接祖先と断定しない理由は?
似た古い化石でも、現生種と共通祖先をもつ別系統の可能性があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。