化石資料から枝分かれの流れを組み立てよう
このレッスンの役割
このレッスンは「脊椎動物の変遷」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、水中と陸上に関係する構造と働きをつなぎ、移行的な化石の意味を学びました。ここでは、年代と共有する特徴を組み合わせ、脊椎動物の変遷を枝分かれのモデルにします。
完成の目安は、化石を古い順に置くだけで終わらず、新しい特徴が共有される位置から枝分かれを考え、複数の系統が並行して続くことを説明できることです。
知る・理解する
枝分かれのモデルを作るときは、次の順で考えます。
- 化石の年代を確認し、時間の向きを決める。
- すべてに共通する特徴と、一部だけに共通する新しい特徴を分ける。
- 新しい特徴を共有する資料を同じ枝へまとめる。
- 資料にない直接の祖先関係は断定せず、共通祖先からの枝分かれとして表す。
例えば、脊椎をもつ資料群の中で、四肢を共有するもの、さらに殻のある卵に関係する特徴を共有するものを順にまとめます。鳥類につながる系統と哺乳類につながる系統は、現在のどちらかがもう一方へ変わったのではなく、古い共通祖先から別々に分かれた系統として考えます。
枝分かれの図は、化石記録と特徴から作る科学的な仮説です。新しい化石や別の証拠が見つかれば、枝の位置が見直されることがあります。図を暗記するだけでなく、「なぜここで分けたか」を特徴から説明します。
具体例で使う
資料A〜Dがあります。Aは最も古く、ひれをもちます。BはAより新しく、四肢と指をもちます。CとDはさらに新しく、陸上での発生に関係する特徴を共有します。Dだけには羽毛に関係する特徴があります。
まずAを、四肢が現れる前に分かれた枝へ置きます。B・C・Dは四肢を共有するため、Aより後の共通する枝に置きます。C・Dは陸上での発生に関係する特徴を共有し、Dはそこからさらに羽毛に関係する特徴をもつ枝に置きます。
ここから「AがBを産み、BがCを産み、CがDを産んだ」とは言えません。A〜Dは、それぞれの枝に近い特徴を残した資料かもしれます。図が示すのは、特徴を共有する共通祖先の位置についての仮説です。
答案では、「Aは四肢をもたず最も古いため四肢獲得前に分かれた枝、B〜Dは四肢を共有する枝、CとDは陸上での発生に関係する特徴を共有する枝に置ける」と、分岐ごとの根拠を書きます。
誤答を直して次の学びへつなげる
「魚類→両生類→は虫類→鳥類→哺乳類」と一直線に並べると、現在の仲間が順番に別の仲間へ変わったように見えます。変遷には多くの枝分かれがあり、魚類や両生類につながる系統も現在まで続いています。
「図の右端にいる生物ほど進化している」も誤りです。横の配置は見やすさのために変えられます。読むべきなのは枝分かれの位置と共有する特徴です。
次は、一本道・優劣・現在の仲間同士を直接の祖先にする誤解を、言葉と図の両方で修正します。
自分で確かめよう
確認1:枝分かれの位置を決める二つの主な手がかりは?
化石の年代と、複数の資料が共有する特徴です。確認2:枝の右端にある生物ほど進化している?
いいえ。横の位置は並べ替えられます。分岐点と共有する特徴を読みます。確認3:古い化石Aと新しい化石Bが似ていれば、AはBの直接の祖先?
似ていて年代順でも、直接の祖先とは限りません。近い共通祖先をもつ別の枝の可能性があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。